2011 Fiscal Year Research-status Report
高層煙突支持部材に発生する自励振動の防止方法に関する研究
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23560251
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 勇一 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30134828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶺 拓夫 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00323379)
森 博輝 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (50451737)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 流体関連振動 / ギャロッピング / 自励振動 / 安定性 |
Research Abstract |
石油化学プラントや発電プラントなどでは高層煙突を数多くみることができる。この高層煙突は、鉄塔構造で支持されているものも多い。一般的に、空気流の乱れや部材の後流中に発生する渦がもとで個々の部材が振動し、一群の部材あるいは鉄塔全体の振動に発達することがある。この度、強風時に高層煙突を支持する鉄塔の補強部材(ブレース)が風速および風向に依存して強く振動する現象が観察された。一般的に風による振動はカルマン渦が原因であることが多い。しかし、カルマン渦による振動は風向によらないにも関わらず発生した振動はある特定の風向でのみである。このようなことから一般的に良く知られたカルマン渦による励振ではないことが考えられる。また、煙突の風上側では煙突まわりの流れのウェイク部によるウェイクギャロッピングではない振動も発生する。製品の設計段階においてはカルマン渦による振動を防止することは検討されている。しかし本研究課題で対象とする流体が関連する不安定振動についての振動防止方法は現在検討されていない。私達はこれまで実際に観測された現象をもとに、理論解析を行っている。流れ場を仮定しブレースに働く圧力を計算した。この圧力を外力としたブレースの運動方程式から振動モードについて検討を行い風速によって不安定振動が発生することを明らかにした。この理論解析にもとづき、系の安定判別を行うことができるようになった。本年度では、こうした背景を踏まえて、円柱近傍に設置された弾性構造部材の不安定振動の各パラメータの特性の把握と制振方法を確立することを目的とし、鉛直に配置された弾性棒に加わる流体力に与えるパラメータの影響を実験を主体として明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は円柱近傍の流れ場とその中に様々な角度で傾けて設置された構造物部材との相互作用により発生する不安定振動の発生メカニズムを実験を主体として明らかにしていく。実験結果は順次理論解析と比較を行うことにより、理論解析の検証を行っていく。本年度は、実験を主体として各パラメータの影響を調べることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は23年度に引き続き実験を主体としてデータを収集し、各パラメータの特性を明らかにするとともに、適切な減衰の付加方法を明らかにしていく。さらに得られたデータをもとに理論解析を行い、その結果をもとにした対策案を構築し実証実験を行う。その結果から自励振動の対策および防止方法の設計指針を構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)「円柱近傍に斜めに配置された弾性棒の理論解析」、(2)「減衰の付加方法の検討および実験データの解析とまとめ」、 (3)「円柱近傍に斜めに配置された弾性棒に加わる流体力の実験および結果の解析」、(4)「振動対策の検討」、(5)「振動対策方法の実証実験」に関連して実験装置や計測消耗品について使用するとともに、関連研究について情報を収集する。
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Research Products
(1 results)