2011 Fiscal Year Research-status Report
制御性能最適化を指向したセミアクティブ制御における低次元モデルと制御則の決定法
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23560255
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
平元 和彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00261652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 太一 明治大学, 理工学部, 講師 (80360189)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | セミアクティブ制御 / 振動制御 / 低次元モデル |
Research Abstract |
地震外乱を受ける構造系のセミアクティブ振動制御系設計について研究した. 本研究の主題である,制御性能の最適化を指向したセミアクティブ制御における低次元モデル導出に関して理論的検討を行った. 今年度は,微小時間後の構造系の応答予測値を用いる予測型セミアクティブ制御を前提に,制御性能を最適化する低次モデルと制御則を決定する際の調整パラメータを同時に求める手法を提案した.その際,セミアクティブ制御系が常に漸近安定となる性質から,通常の制御系設計において重要となる低次モデルの実対象に対する応答の近似度は重要な問題ではなくなる.本研究では,低次モデルの良否は,そのモデルに対して設計されるセミアクティブ制御則を実対象に適用した時に達成される制御性能の良否から評価している. 遺伝的アルゴリズムを用いて,低次モデルと低次モデルに基づく予測型セミアクティブ制御則を最適化するための手法を開発した.シミュレーションの結果,構造系の詳細なモデルが正確に得られる場合と比較して,制御性能改善のために最適化された低次モデルを用いたの方がセミアクティブ制御系全体の性能を高めることができることがわかった. 以上の結果から,予測型セミアクティブ制御則を前提として制御性能を最適化するためにモデルと制御則を同時に最適化することが有効であることが確認された.制御対象の開ループでの動的ふるまいの意味で正確な数学モデルを求めることが,制御性能の最適化に必ずしもつながらないことを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画のうち,予測型セミアクティブ制御を前提とした低次モデルと制御パラメータの同時最適化が有効であることが,シミュレーションによって確認された.関連する内容での論文や講演会での発表が行われているため,本研究で目標設定された研究目的は,現在までおおむね順調に達成されていると評価できる.
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Strategy for Future Research Activity |
種々の構造系に対して,提案する手法の有効性を検証する.さらに,採用する制御則が異なる場合に対する設計法を確立することで,より広い範囲のセミアクティブ制御系設計問題への適用可能性を検討する. 得られた成果は,論文,講演会などで社会に向けて公開する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ここまで得られた成果を基に,分担者と共同で,簡単な実験装置の製作を目標とする. H24年度は,研究費を装置制作やその制御のための材料,機器,コンピュータなどに使用する予定である.また,成果発表や情報収集を行うための旅費,学会参加費,論文印刷費にも用いる.
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Research Products
(5 results)