2013 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性粒子を用いた磁場援用セミアクティブダンパに関する研究
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23560259
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
井門 康司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40221775)
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Keywords | ダンパー / 磁性流体 / 磁気機能性流体 / 振動制御 / 粒子群 / MR流体 / 針状磁性粒子 |
Research Abstract |
MR流体および磁気混合流体それぞれに長径100nm,アスペクト比4の針状磁性粒子を混合した磁気機能性流体を新たに作製し,この流体を作動流体として用いたダンパーの減衰力を実験的に調べた.その結果,全磁性粒子の体積分率を一定とすると,MR流体に混合した場合には針状磁性粒子が多く含まれる方が,減衰力が大きくなることが明らかとなったが,印加磁場強度による減衰力増幅率は針状磁性粒子の混合割合が低いほうが大きくなる.一方,磁気混合流体に針状磁性粒子を混合した場合,磁性流体の混合割合が少量の時に,減衰力が突出して大きくなる現象を発見した.これは印加磁場の有無に依らない. 粒子群を作動流体の替わりに用いた粒状体ダンパーの減衰力特性について実験的に調べた.その結果,粒子を鋼球としてダンパーエンドキャップ近傍に電磁石あるいは永久磁石を設置することにより,減衰力のダンパー設置角依存性が緩和され,ダンパーを傾斜させて設置しても,ピストンが上方へ移動する場合にも減衰力が発生することがわかった.永久磁石の適切な配置により,外部からの特別なエネルギーを必要とせずに粒状体ダンパー減衰力の設置角依存性を低減させることができることになり,粒状体ダンパーの実用化に際して重要な知見を得た.また,鋼球などの金属粒子を用いた場合について,粒状体ダンパー減衰力の現象論的モデルを構築した.現象論的モデルは,非線形ばねとヒステリシスを表すBouc-Wenモデルおよび摩擦スライダーを並列に結合したもので表現でき,このモデルによって得られた減衰力特性と実験から得られた減衰力特性はよく一致する.
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