2012 Fiscal Year Research-status Report
MEMSに生じる電界-構造-流体連成振動現象のモデリングと連成効果の検討
Project/Area Number |
23560263
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀江 知義 九州工業大学, 情報工学研究院, 教授 (40229224)
|
Keywords | 静電気力-構造-流体連成 現象 / 3現象連成効果 / MEMS / 連成解析 |
Research Abstract |
MEMS (Micro electro-mechanical systems)には静電界,流れ,磁場などの環境下で機械的な動きや変形が生じるため,マイクロ・スイッチやマイクロ・プローブなどの駆動機構の開発および設計には,複数の物理現象が相互に影響を及ぼしあう連成現象の定量的な評価が不可欠である。 2年目は静電気力-構造-流体連成現象に焦点を当て,3現象連成効果について,大規模連成並列解析と実験により,連成効果のモデル化の妥当性の検証と,最適な解析方法の提案を行った。 静電気力-構造,流体-構造の2つの2現象連成のほか,構造の振動を介して3現象が連成する3現象連成について,支配因子への依存性を定量的に求め,実験結果および解析結果から連成力学モデルの妥当性を検討した。連成解析法としては,分離型解法および一体型解法を使用し,静電気力の計算法としては,弱形式により節点力として評価する方法,数値積分により辺上で評価する方法を使用した。実験の測定には,微小はり形状を測定するマクロスコープおよび解析アプリケーション,高い振動数域まで変位測定が可能なレーザドップラー振動計と変位を直接測定できるレーザ干渉変位計を併用した。 負の付加剛性,付加質量,形状効果,電界の集中が3現象連成効果に及ぼす影響を検討し,最適な連成解析方法を提案した。さらに,サイズの小さい領域,気圧の低い領域において,非圧縮性粘性流れ近似に基づく連成効果の評価方法の適用限界を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の計画通り,静電気力-構造-流体3連成現象の解析と実験による測定を行い,連成力学モデルの妥当性の検討を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い,3年目は電磁-構造-流体連成現象に焦点を当て,3現象連成効果について,大規模連成並 列解析と実験により,連成効果のモデル化の妥当性の検証と,最適な解析方法の提案を行う。 変動磁場を与えて,電磁力によるマイクロはり構造の応答変位を測定する。実験結果と連成解析結果を併用して,支配因子への依存性および連成力学モデルの妥当性を検討する。 静電気力-構造連成,静電気力-構造-流体連成,電磁-構造-流体連成のモデル化について,総合的な評価を行う。さらに今後の発展が期待されるため,多重連成現象の力学モデル化の他分野への応用の可能性について,課題の検討を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2年目はサンプル作成条件の設定に時間を要したため,実験サンプル数がやや不足気味であり,消耗品の使用量も少なめであった。最終年度は実験のサンプル数を増やし,精度を高める。実験用の消耗品,成果発表用の旅費を中心に,当初の計画通りに研究費を使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)