2011 Fiscal Year Research-status Report
直交流中の管群構造物における気柱共鳴励起エネルギーと音響減衰特性の定量評価
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23560265
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
濱川 洋充 大分大学, 工学部, 教授 (30243893)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 流体関連振動・騒音 / 音響共鳴現象 / 渦 / 管群 / フィン / 音響 |
Research Abstract |
発電所の大容量ボイラや排熱回収用ボイラなどの熱交換器では,試運転時に気柱共鳴現象が発生し,振動と騒音が問題になることがある.本研究は,気流中での音響特性の変化と励起源である渦放出音および渦と管との空力干渉音の特性を定量評価し,高精度の発生予測法を開発することを目的とする.本年度は,音響減衰特性に及ぼす気流の影響調査と,気柱共鳴現象発生前後の渦放出の同期化特性の解明および新しい同期化パラメータの提案を行った. 1. 気柱共鳴現象の発生しやすさを表す渦の同期化パラメータを提案した.これが気柱共鳴現象の判定に使用できることを確認した. 2. 多孔体から噴流を発生させ吸音率を測定したところ,吸音効果があることがわかった.この周波数帯や吸音率などの特性は流れの条件によって変化する.3. フィンピッチ比が0.16のセレイティッドフィン付き単独円柱から発生する空力音の音圧レベルは等価直径の円柱と比べ低下する.フィン付き2円柱の場合に流れ方向の中心間距離が変化しても空力音の音圧レベルは等価直径の円柱の場合と比べ小さくなる. 4. フィン付き2円柱から発生する空力音の音圧レベルは流れ方向の中心間距離によって変化する.流れ方向の中心間距離と等価直径の比が2.3-6.8では全体的にフィン付き単独円柱と比べ空力音のレベルが増加する.2.5-3では単独の場合よりも10.7-11.7dB大きく,さらに4.0-6.8では17.9-16.0dB大きくなる.一方,2.0以下では単独の場合よりもレベルが2.5-6.0dB低下する.管群配列を変化させることにより,気柱共鳴現象の励起力を低減させることができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,(1)管群からの渦放出音の特性の解明と気柱共鳴励起エネルギーの評価,(2)音響減衰特性に及ぼす気流の影響評価,(3)管群構造物の音響特性の解明,(4)音響減衰特性と渦放出音に及ぼすフィン形状の影響評価,を行う計画であった.(1)については,気柱共鳴現象の発生前後の渦放出特性を実験的に解明し,その結果に基づき,発生しやすさを表す渦の同期化パラメータを提案した.これが気柱共鳴現象の判定に使用できることを確認した.さらに,管群の基本要素である2円柱において,管の中心間距離によって気柱共鳴現象の励起エネルギーが変化することを明らかにするとともに,それを定量評価した.(2)については,多孔体から噴流を発生させると吸音効果があり,その周波数帯や吸音率などの特性は流れの条件によって変化することを明らかにした.(3)については,管群を模した多孔体の音響特性を実験的に調査し,吸音効果があることを明らかにした.この結果から,流れ中の管群構造体には特定の周波数の音を吸音する効果があり,これが管群の音響減衰特性に密接に関与していることがわかった.(4)については,渦放出音に及ぼすフィン形状の影響を明らかにした.以上のように,全ての項目でほぼ当初の計画通りに研究が進展していることから,「おおむね順調に進展している」の評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
研究がおおむね順調に進展していることから,研究計画の変更はない.今年度は,昨年度の結果を踏まえ,ボイラの相似模型実験装置と管群を内臓した音響試験装置を使用して,各共鳴モードの音響減衰特性に及ぼす気流と乱れの影響を調査する.さらに,管群配列と管間流速を様々に変化させて新しく提案した発生予測パラメータの導出を行うとともに,共鳴励起エネルギーと音響減衰量の評価マップを作成する.また,ボイラ相似模型実験装置を用いて気柱共鳴現象の発生予測法の検証を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究がおおむね順調に進展していることから,研究費の変更はない.今年度の研究費は,供試体製作費,熱線,流速計用プローブ,解析ソフトおよび保守費などの消耗品と,学会における情報収集および発表などの旅費に使用する.
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Research Products
(16 results)