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2011 Fiscal Year Research-status Report

摩擦に誘引された複合振動系の体系化に関する挑戦

Research Project

Project/Area Number 23560266
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

劉 孝宏  大分大学, 工学部, 教授 (60230877)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 松崎 健一郎  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80264068)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords自励振動 / 摩擦振動 / 安定性 / ブレーキ鳴き / シャダー / 非線形振動
Research Abstract

本研究は,摩擦に誘引された複合的振動現象に対し,基礎的メカニズム解明を足がかりに体系化を行うとともに,有効な制振技術を開発することを目的とした研究である.本年度は,自転車用ディスクブレーキのビビリ現象,ディスクブレーキ面内鳴き,オートマチックトランスミッションのシャダー現象および非線形振動現象について研究を実施した.研究成果は以下のようにまとめられる.1.自転車用ディスクブレーキ鳴きの面内および面外方向振動の影響を調査するための,ディスクブレーキ単体を取り出した実験装置の設計を完了した.2.ディスクブレーキの面内鳴きに関して,ロータおよびパッドの連成を考慮した集中系モデルを構築した.また,ロータおよびパッドのFEM解析を実施し,実機におけるロータおよびパッド単体のモードとの関連を調査した.3.オートマチックトランスミッションにおいて,発生する自励振動であるシャダー現象に対し,実機に対する線形多自由度モデルを構築し,シャダー現象の発生メカニズムがロックアップクラッチ部の摩擦の相対すべり速度に関する負勾配特性であることを解明した.また,発生可能なモードが2種類存在すること,ダンパ部の減衰付与が効果的であること,動吸振器による対策が有効であることが確認された.動吸振器を実機に装着してシャダーが完全に抑制できることも確認できた.その成果は,SAE2011および自動車技術会で研究発表を行った.動吸振器を装着した場合の強制振動解析に関しても,モデル化を完了し数値計算を開始した.4.オートマチックトランスミッションで発生する非線形振動について,実機現象の把握および数値計算のためのモデリングを完了した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1.自転車用ディスクブレーキ鳴き現象に関しては,当初,ディスクを取り出した試験装置の設計・製作およびディスク表面温度とビビリ現象の関連を調査することとしていたが,本テーマでは実験装置の設計を完了するにとどまった.2.ディスクブレーキの面内鳴きに関しては,ロータおよびパッドの連成を考慮した集中系モデルの理論解析を完了し,プログラミング作成を開始した.また,ロータおよびパッドのFEM解析も完了しており,本年度の目標はほぼ達成できた.3.オートマチックトランスミッションのトルコン部のみを稼働させる実験を実施し,ロックアップクラッチ部の摩擦特性を計測した.その特性を利用して,実機に対する線形多自由度モデルを構築し,シャダー現象の発生メカニズムがロックアップクラッチ部の摩擦の相対すべり速度に関する負勾配特性であることを明らかにした.また,動吸振器を実機に取り付けた場合の解析モデルを作成し,自励および強制振動の両面から解析可能なプログラミングを完了した.さらに,動吸振器を実機に装着してシャダーが完全に抑制できることも確認した.クラッチ部のみの実験装置の製作も完了した.これらの成果は,当初予定した研究計画より進んでいるため,本年度の目標は達成できた.4.オートマチックトランスミッションで発生する非線形振動について,実機現象の把握および数値計算のためのモデリングを完了した.また,プログラミングの準備も完了しており,本年度の目標は達成できた.以上のことから,総合的に研究目的の達成度は「おおむね順調に進展している」と評価した.

Strategy for Future Research Activity

1.自転車用ディスクブレーキ鳴き現象に対しては,設計した実験装置を製作し,面内方向の固有振動数と面外方向の固有振動数の関係が鳴きおよびビビリに及ぼす影響を実験的に検証するとともに,理論解析を行う.また,ビビリ振動に対する動吸振器の適用を行う.2.ディスクブレーキの面内鳴きに関しては,摩擦を伴う線形多自由度モデルによるプログラムを完成させ,ロータ面内方向の自励振動が発生可能かどうかの評価,パッドの固有振動数の影響,面内方向のエネルギー流入の影響等を検証する.また,数値計算結果をもとに,実機によるパッドの接触状態や固有振動数の影響を調査し,比較検討する.3.オートマチックトランスミッションのクラッチ部のみを取り出した実験装置により,シャダーの再現実験を行う.その実験装置に動吸振器を取り付け,動吸振器の最適設計方法について理論および実験を比較検討する.また,それらの結果を実機モデルにフィードバックする.4.オートマチックトランスミッションにおける非線形振動に対し,プログラムを作成し,発生メカニズムを検証する.その結果から,非線形振動が発生しにくい条件を数値計算により求める.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

1.自転車用ディスクブレーキ鳴き現象に対しては,実験装置の制作費として使用する(物品費).また,前年度購入予定であったサーモグラフィーについては,現有の熱電対による測定で評価可能かどうかを見極め,可能な場合は,センサー等を購入する.2.ディスクブレーキの面内鳴きに関しては,金沢で実施される日本機械学会年次大会で研究発表を予定している(旅費).3.オートマチックトランスミッションのクラッチ部のみを取り出した実験では,装置の制作費等に使用する(物品費).

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] A Study on Shudder in Automatic Transmission ...2011

    • Author(s)
      劉孝宏,松崎健一郎,中江貴志他
    • Journal Title

      SAE International

      Volume: 2011-01-1509 Pages: CD-ROM

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Experimental and Analytical Investigation of ...2011

    • Author(s)
      中江貴志,劉孝宏,末岡淳男
    • Journal Title

      SAE International

      Volume: 2011-01-1579 Pages: CD-ROM

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ATロックアップクラッチ部で発生するシャダー現象とその防止対策に関する研究2011

    • Author(s)
      松﨑健一郎
    • Organizer
      自動車技術会学術講演会2011年秋季大会
    • Place of Presentation
      札幌コンベンションセンター
    • Year and Date
      2011-10-12

URL: 

Published: 2013-07-10  

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