2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560266
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
劉 孝宏 大分大学, 工学部, 教授 (60230877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 健一郎 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (80264068)
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Keywords | 自励振動 / 摩擦振動 / 安定性 / ブレーキ鳴き / シャダー / 非線形振動 |
Research Abstract |
本研究は,摩擦に誘引された複合的振動現象に対し,基礎的メカニズム解明を足がかりに体系化を行うとともに,有効な制振技術を開発することを目的とした研究である.平成24年度は,自転車用ディスクブレーキのビビリ現象,ディスクブレーキ面内鳴き,オートマチックトランスミッションのシャダー現象および非線形振動現象について研究を実施した.研究成果は以下のようにまとめられる. 1.自転車用ディスクブレーキ鳴きの面内および面外方向振動の影響を調査するため,ディスクブレーキ単体を取り出した実験装置を製作し,基礎実験を開始した. 2.ディスクブレーキの面内鳴きに関して,ロータおよびパッドの面内面外連成を考慮した集中系モデルを構築し,プログラム作成および固有値解析を開始した.その結果,ロータの面内方向だけでなく,面外方向成分も有する振動モードが不安定化することがわかった.その成果をISMA2012および日本機械学会年次大会で発表を行った. 3.オートマチックトランスミッションのシャダー現象に対し,クラッチ部のみを取り出した実験装置を製作し,実験を開始した.当初予定した鳴き振動数と異なるモードが発生し,動吸振器による制振には到らなかった.実機をモデル化した数値計算では,自励振動用に設計された動吸振器を装着した場合の強制振動解析も実施し,不具合がないことがわかった.その成果を自動車技術会秋季大会で成果発表を行った. 4.オートマチックトランスミッションで発生する非線形振動について,プログラムを作成し数値計算を開始した.その結果,分数調波振動が発生する可能性があることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.自転車用ディスクブレーキ鳴き現象に関しては,ディスクを取り出した試験装置の製作を完了し,実験を開始したが,安定的な鳴きを発生させることができなかった.従って,本年度目標の50%程度を達成した. 2.ディスクブレーキの面内鳴きに関しては,プログラム作成を完了した.固有値解析を実施することにより,面内鳴きに相当するモード特定も完了した.従って,本年度の目標はほぼ達成できた. 3.オートマチックトランスミッションにおいて,クラッチ部のみの実験は完了できなかったが,動吸振器を実機に取り付けた場合の,自励および強制振動の両面から解析可能なプログラムを用いて,動吸振器装着による自励振動の制振効果を確認できるとともに,強制振動に対しても問題ないことを確認することができた.実機に対する評価が当初予定した研究計画より進んでいるため,おおむね本年度の目標は達成できた. 4.オートマチックトランスミッションで発生する非線形振動について,数値計算を開始し,分数調波振動が発生することが確認できた.従って,おおむね本年度の目標は達成できた. 以上のことから,総合的に研究目的の達成度は「おおむね順調に進展している」と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
1.自転車用ディスクブレーキ鳴き現象に対しては,まず,実車に動吸振器を取り付けることで,鳴き・ビビリ抑制への影響を実験的に検証するとともに,実験機を改良し,実機との相関を検証する. 2.ディスクブレーキの面内鳴きに関しては,減衰を考慮した数値計算を実施し,実験結果との比較検討を行う.その成果を学術講演会で発表する. 3.オートマチックトランスミッションのクラッチ部のみを取り出した実験装置について,ピストンの加圧方式等の改良を行い,シャダーの再現実験および動吸振器を用いた制振実験を実施する.実車シャダーについては,さらに解析を進め,その成果を国際会議で発表する. 4.オートマチックトランスミッションにおける非線形振動に対しては,作成したプログラムを利用して分数調波振動の発生条件,抑制方法等を検討する.この成果を学術講演会で発表する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.自転車用ディスクブレーキ鳴き現象およびオートマチックトランスミッションの実験に対しては,実験装置の製作費として使用する(物品費). 2.ディスクブレーキの面内鳴きに関しては,その研究成果を日本機械学会鹿児島地方講演会で発表する予定である(旅費). 3.オートマチックトランスミッションのシャダー現象に関しては,研究成果を韓国で開催される国際会議APVC2013で発表する予定である(旅費). 4.オートマチックトランスミッションの非線形現象に関しては,研究成果を名古屋で開催の自動車技術会秋季大会で発表する予定である(旅費).
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Research Products
(3 results)