2013 Fiscal Year Research-status Report
長さ変化を伴う柔剛混在多体系動力学における統一的解析手法の確立
Project/Area Number |
23560268
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
曄道 佳明 上智大学, 理工学部, 教授 (50262118)
|
Keywords | マルチボディダイナミクス / 柔軟体 / 長さ変化 / 大変位 |
Research Abstract |
(1)理論解析 これまでに長さが変化する柔軟多体系の解析手法を多面的に検討し、高効率、高精度な手法の開発を行ってきた。その中で、物理的洞察の下で適切な時間および空間の尺度を設定する多重尺度法の導入により、剛性の異なる物体の拘束運動を精度よく近似する高速解析法を開発した。現状では、大変位、微小変形を有する長さが変化する柔軟体を対象としている。今後、汎用性を持たせるために、柔剛混在多体系の結合形態、拘束条件、自由度などから、自動的に無次元運動方程式を導出するための多重尺度の与え方を考案する。 (2)実験 平成24年度以降に計画された第2次実験装置の設計に取り掛かった。第1次実験装置に加え、さらに旋回しかつ長さが変化する柔軟なブームを導入する。初期段階での試作、検証が必須と考えられるが、ブームおよびロープという柔剛混在の長さが変化する系において、安定的な動作状況を与えることに工夫が必要となり、平成26年度早々に完成させる予定である。 (3) 実験結果と数値解析結果との比較検討 構築された提案手法による数値解析結果と第1次実験装置での実験結果との比較検討を、基礎事項について行うことを試みた。現状では、大変位、微小変形の柔軟体の運動を、理論解析結果と比較可能な制度で測定することに一層の工夫が必要である。ただし、これまでの研究成果から、おおむね妥当な範囲で解析が可能であることが示された。 以上のプロセスを経て、長さが変化する柔剛混在多体系の運動解析手法の提案および実験的検証を平成26年度までに完了させる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置において、大変位、微小変形の状態にある柔軟体の測定に検討を要している。理論解析は多角的に有効性を検証しており、実験および測定が軌道に乗れば、理論解析の検証に有効となり、柔剛混在系への意向もスムースに行えると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる今年度は、理論解析結果および実験結果の比較検討を行い、特に提案する理論解析手法の妥当性を検証する。 実験における想定では、高精度な画像解析の手法を駆使し、より精度の高い実験結果を得られるよう工夫する。理論解析については、柔剛混在系の解析に拡張し、これに多重尺度法を適用する手法を提案することで、総合的な高効率手法を開発する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文作成および測定システムの物品購入に予算を充てたが、僅かに残余金が発生した。 測定システムの検証実験にかかる部材費、測定システムの改良、必要があればデータロガーの拡張を考える。
|