2013 Fiscal Year Annual Research Report
陰的ラグランジュ法に基づく複雑なマルチボディシステムの解析設計に関する研究
Project/Area Number |
23560269
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉村 浩明 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40247234)
|
Keywords | 陰的なラグランジュ系 / ディラック構造 / シンプレティック構造 / マルチボディシステム / ネットワーク構造 / ラグランジュ・ダランベール原理 / ハミルトン・ポントリヤーギン原理 / スパースタブロー法 |
Research Abstract |
本研究は,陰的なラグランジュ法に基づいて,非ホロノミック拘束を受けるマルチボディシステムや電気回路などの複雑な力学系に関する解析設計手法の開発を行うことが目的である.主要課題として下記のものが挙げられる. (1)部分システム間のエネルギー伝達機構の解明とネットワーク化 (2)陰的ラグランジュ法による内部接続されたマルチボディダイナミクスの定式化 (3)離散化されたハミルトン・ポントリヤーギン原理による数値積分法の開発 平成25年度の研究では,システムのネットワーク構造を内部接続されたディラック構造として捉え,それを離散化されたラグランジュ・ダランベール原理によって定式化を行った.すなわち,ハミルトン・ポントリヤーギン原理を拘束条件を有する場合に拡張した,いわゆる連続系によるラグランジュ・ダランベール原理ではなく,それを離散化したラグランジュ・ダランベール原理を用いることで,直接的に,ネットワーク化された複雑系の離散化されたシステム方程式を導出することを試みた.特に,非線形LC格子回路(戸田格子)を例にとり,回路の同形性に注目して部分モジュールに分解し,それぞれを離散化されたラグランジュ・ダランベール原理で定式化し,その上で内部接続を与えて,最終的な全体の離散ラグランジュ・ダランベール方程式を得る方法を提案した.この手法により,各モジュールごとに,シンプレクティック(ディラック)構造を保存する数値積分法,すなわち,マルチシンプレクティック(ディラック)積分法を提案することができた.また,離散ラグランジュ・ダランベール方程式によって記述された離散化された陰的なラグランジュ系は,長時間計算でのエネルギーの保存性においても,優れた性能を有する事が判った.さらに,スパースタブロー法と組み合わせる事で,大規模ネットワーク構造を持つ力学系の数値解析法として応用できることを示した.
|
Research Products
(8 results)