2013 Fiscal Year Annual Research Report
高速M推定を用いた3次元表面粗さ用ローパスフィルタの開発
Project/Area Number |
23560271
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
沼田 宗敏 中京大学, 工学部, 教授 (00554924)
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Keywords | 表面粗さ / ローパスフィルタ / ロバスト推定 |
Research Abstract |
本年度は下記の3ステップを実施した. 1. 3次元表面粗さ用ローパスフィルタの計算手法を確立した.当初の計画は,高速M推定を用いた1次元ローパスフィルタを互いに直交する2方向へ順次適用したフィルタ結果Aおよび,x方向,y方向の順序を入れ替えて順次適用したフィルタ結果Bの不一致が生じる計測点に,部分的な高速M推定を用いた2次元フィルタを適用する2段階手法であった.最終的に高速M推定を用いた2次元フィルタの計算手順を見直し,全計測データに2次元フィルタを直接適用する1段階手法に簡略化し,当初の計画の2段階手法よりも精度・処理速度ともに優れた結果を得た. 2. 3次元表面粗さ用ローパスフィルタの4大特性を検証し,(1) 外れ値のない計測データに対しガウシアンフィルタと結果が一致すること,(2) 高速に計算できること,(3) 外れ値のある計測データに対しロバストであること,(4) 方向特性がないこと,を確かめた. 3. 従来の代表的な表面粗さ用ローパスフィルタであるスプラインフィルタ,S.Brinkmannのロバストガウシアンフィルタの2次元フィルタで実験し,スプラインフィルタでは4大特性の内,(1),(3),(4)が満足できないこと,S.Brinkmannのロバストガウシアンフィルタでは(1),(2),(4)が満足できないことを確かめた. これらの研究成果の内,1, 2のステップを2014年春精密工学会大会で口頭発表した.3については,2014年秋精密工学会大会で口頭発表予定である.また,1,2,3のステップを併せて,2014年中に論文投稿(精密工学会誌)予定である.また,研究協力者である3次元表面粗さ測定機メーカーである株式会社小坂研究所と2014年3月より実用化のための共同研究をスタートした.1, 2年のうちに本3次元表面粗さ用ローパスフィルタが実用化される見込みである
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