2011 Fiscal Year Research-status Report
嚥下障害の予防を目的とした高齢者のための顔面体操トレーニングシステムの開発
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23560282
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中沢 信明 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80312908)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 顔面体操 / トレーニング / 顔電図 / 計測 / 人間工学 |
Research Abstract |
本年度は,口腔周囲の筋電位測定システムを確立し,筋レベルから顔面体操の検討を行った.口腔機能(可動性,活動性)の向上を目的とした体操については,首ならびに肩の運動,口の開閉,唇ならびに舌の運動,頬の膨らまし運動,発声等がある.本研究では,顔面運動の中から唇と頬の動きについて着目した.口の周りの口輪筋ならびに頬周りの大頬筋と小頬筋付近に乾式の電極を貼り付け,各筋電位信号の取得を行った.なお基準電位(アース)を手首に取り付けた.実験では,口を閉じた状態から「う」の発声で唇をとがらせる運動,「い」の発声で口角を横方向に広げる運動,口を閉じて頬を膨らませる運動を取り上げた.筋電位の活動の指標としては,測定波形の振幅の大きさに注目し,振幅確率密度関数を利用した解析を行った.唇をとがらせる運動については,大頬筋と小頬筋の出力変化が少なく,口輪筋の筋活動は活発になった.口角を広げる運動については,いずれの測定部においても出力変化が観測でき,特に大頬筋ならびに小頬筋付近の筋活動が活発になった.一方,口を閉じた状態での頬の膨らまし運動は,他の運動に比べて口輪筋の筋活動が活発になることが見出された.振幅確率密度関数を利用した解析では,平均値を表すP=0.5の値から,上記の得られた特性を確認することができた.次に,顔面体操中の顔をUSBカメラで捉え,顔面の状態判別システムの構築を行った.取得した画像を二値化し,口腔面積ならびにアスペクト比から,口を閉じた状態,「い」ならびに「う」を発声した状態が認識可能なシステムを構築した.検証実験を行った結果,90%近い認識率が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,顔面筋の筋電図を利用した顔面体操の検討,ならびに画像処理による顔面体操中の顔面運動状態の判別システムを構築し,おおむね研究計画書の項目を実施している.
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Strategy for Future Research Activity |
筋電位信号の解析で得られた結果をもとにして,顔面体操トレーニングのためのソフトウェアならびにハードウェアの開発を行う.顔面体操の利用時間,筋レベルの到達度,顔面ポーズの出来をメモリに残す「データベース機能」を設けるなど,ユーザビリティを配慮に入れた設計を行っていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
顔面体操で必要となる高分解能リニアアクチュエータとコントローラ,計測やノイズ除去回路で必要な電子部品等の消耗品を購入する予定である.また,国内ならびに国外の学会に出席し,講演発表ならびにセンシング技術に関する情報収集を行い,当初の計画通り,研究費を使用する予定である.
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Research Products
(5 results)