2011 Fiscal Year Research-status Report
ポータブルNIRS計測装置を用いた実利用型ブレイン・マシン・インタフェースの構築
Project/Area Number |
23560286
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
伊藤 友孝 静岡大学, 工学部, 准教授 (00283341)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳情報 / ロボット / ブレイン・マシン・インタフェース / NIRS |
Research Abstract |
本研究は,脳機能計測装置を用いて人の脳活動を計測し,その情報を利用して,ロボット等の各種機器の操作や外部との直感的コミュニケーションを可能にする「ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)」を構築することを目的としている.23年度は,申請時の計画に従って,ポータブルNIRS計測装置を用いたBMI実験システムの構築と脳活動の分析手法の基礎検討を行い,脳血流計測データからの思考識別法の改良を行った.また,実環境での利用を考慮して,環境や動作要因などが脳情報に与える影響についても検討を行った.上期には,ポータブルNIRS計測装置のリアルタイム計測・分析環境の整備を行った上で,ポータブル計測装置に最適化した思考識別手法を考案した.ポータブル装置は,持ち運びができる分,測定チャンネルが少なくサンプリング時間も小さくできないにも関わらず,改良した手法により,予備実験で使用していた多チャンネルの大型の医療用測定器と比較しても,識別精度が向上することを確認できた.下期には,実生活でブレイン・マシン・インタフェースを利用する際に問題となる,周囲の明るさや温度変化,呼吸や動作の脳情報への影響について検討し,独立成分分析を適切に用いることで呼吸の影響を除去できる可能性を示した.また,識別結果を本人に提示しながら追加学習を行うことで,インタラクティブ性やフィードバック訓練の効果を確認することができた.得られた成果は,当初の想定を超えるもので,次年度の研究期間を有効に使うことができると考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は24年度に行う予定であったインタラクティブ性試験やフィードバック訓練の効果を確認することができ,順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,実生活での利用を考慮したブレイン・マシン・インタフェースの構築を目指して,様々な外乱や揺らぎの影響を除去する手法の具体検討を行い,実利用に対応した脳の状態判定手法を構築する.また,小型ヒューマノイドロボットを利用して,インタラクティブ性試験とフィードバック訓練実験をさらに進め,一般被験者の協力のもと,効果を確認する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定に基づいて,小型ヒューマノイドロボットを用いたインタラクティブ性試験に用いる実験治具の製作・材料費のほか,試験時の一般被験者の謝金や学会での成果公開の旅費等に用いる予定である.
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Research Products
(1 results)