2013 Fiscal Year Annual Research Report
ポータブルNIRS計測装置を用いた実利用型ブレイン・マシン・インタフェースの構築
Project/Area Number |
23560286
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
伊藤 友孝 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00283341)
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Keywords | ブレイン・マシン・インタフェース / ロボット / NIRS / 思考識別 / 脳情報 |
Research Abstract |
本研究は,脳機能計測装置を用いて人の脳活動を計測し,その情報を利用してロボット等の各種機器の操作や直感的コミュニケーションを可能にする「ブレイン・マシン・インタフェース」を構築することを目的とした. 平成25年度は,NIRS計測装置(脳血流計測装置)を用いて日常生活環境で被験者の思考や感情を識別する際の,計測プローブの付け外しの影響,体調の変化の影響等による識別正答率の低下を防ぐ方法について前年度の成果をさらに発展させるための検討を行った.そして,独立成分分析を用いて呼吸や計測姿勢の変化の影響を低減する手法に加え,改良型自己増殖LVQによる簡易キャリブレーションおよび追加学習法を考案した.改良型自己増殖LVQでは,識別器内部のニューロンの動作を解析し,不要なニューロンや誤識別につながるニューロンを減らして効率的な学習を行う手法を提案し,正答率向上の効果を得た.また,国際感情画像データベースの中から被験者に様々な画像を提示し,外部からの視覚刺激による感情変化(快・不快,覚醒度の高低など)の調査も実施した.本研究で提案した識別器を用いて学習と識別を行ったところ,脳血流変化を基に,生起感情を判定可能であることがわかり,外部刺激により脳血流に変化を引き起こすニューロフィードバックへの応用の可能性を示唆する結果が得られた. 全三年間の研究期間を通じて,人の思考や感情を脳血流から識別して機器操作に利用するブレイン・マシン・インタフェースの応用可能性を高める検討を行うことができ,ポータブルNIRS装置でのロボットへの指令イメージや感情等の識別の実現や,小型ヒューマノイドロボットを用いた制御実験など,研究計画に沿った成果が得られた.成果は,国内会議・国際会議での発表ならびに学会誌論文にて公開した.今後,この成果を基にニューロフィードバックの実現など発展研究を展開する予定である.
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