2012 Fiscal Year Research-status Report
幾何学的に拘束された人間の自然な動作の解析とロボット制御への応用
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23560292
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
M・M SVININ 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90274125)
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Keywords | モーションプランニング / 人間らしい動作 / 最適制御 / 拘束運動 / 人間機械システム / 非ホロノミックなシステム / バーチャルリアリティ / ハプティックインターフェイス |
Research Abstract |
本研究では、幾何学的に拘束された動作について考察している。この動作の最も重要な例題として、非ホロノミック拘束である転がり拘束によって生じるものがある。慣性ロータによって駆動される球型転がりロボットについて研究した。このようなロボットの駆動原理は非ホロノミック拘束を利用することによって転がり運動を生じさせる。ロボットの数学モデルを構築し、ロボットの動力学的に実現可能な運動の条件と可制御性について解析を行った。その結果として、動力学の範囲で考えた場合、球面上の測地線に沿う運動は、接触平面上では直線や円軌道を描かないことを明らかにした。この結果から、軌道計画アルゴリズムにおいて幾何学的な位相を利用したアプローチは困難となる。接触点の軌道を最短にする最適制御によるアプローチについてはシミュレーションによりその有効性を検証してきた。また、二ルポテント近次と反復性ステアリングを用いた軌道計画についても確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに得られた研究結果はロボティクス、ハプティックインターフェイス、最適制御の分野におけるいくつかの高水準な国内外の学会において発表されました。プレゼンテーションにおいては多くの前向きな意見とフィードバックが得られました。 研究は滞りなく計画通りに進んでおります。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究に対して、いくつかの課題をさらに加える予定である。第一に、軌道計画アルゴリズムはシミュレーション下で解析されるべきであり、より実践的なという観点で他と比較する必要がある。そこで、転がり摩擦を既存のモデルに含める必要がある。第二に、ロボットの姿勢と位置を推定するために用いる、ジャイロセンサーとカメラによるセンシングについてさらに改良を進める。第三に、転がりロボットの設計において、最適なアクチュエータの選定について考察する。最後に、転がりロボットのプロトタイプの設計製作を行い、実機実験により検証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究において最適規範によって計算される計算結果と実験装置の構成は重要となる。実験を行うためにコンピュータによって制御されるロボットを製作する予定である。ロボットを作るためには様々な部品(モーターとセンサーとコンピュータを含めて)購入するつもりである。次に、本研究の枠組みで、異なる最適規範のもとでの最適制御問題によって軌道が得られる。最適軌道の計算を行うためにソフトウエアの開発が必要である。このソフトウエアを作るために特別なツールボックスを購入するつもりである。なお、前年度の繰り越し分は、実験装置の製作(ハードウェア・ソフトウェア)に充てる。
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