2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560296
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
川合 忠雄 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20177637)
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Keywords | 打撃試験 / ウェーブレット解析 / き裂 |
Research Abstract |
申請の研究では、橋梁のUリブに発生するき裂を検出するために、道路面から衝撃を与え、発生する振動を道路面に設置したセンターで検知することにより実現できるシステムの開発を目指した。研究では、き裂を検知するために、衝撃を与える打撃点とセンサーを配置する位置の関係を明確にするとともに、検知のために必要となる信号処理、データ処理手法について検討した。研究では、鋼床版の上にアスファルト舗装された高架橋を対象とした。アスファルトに打撃を与えた場合には、十分な打撃力を与えることができなかったので、打撃は鋼床版に直接与えるものとした。衝撃は加速度センサーで計測し、打撃点からの衝撃がき裂で反射または透過してセンサーに入社する位置にセンサーを配置することが検出精度を高める上で必要であることが分かった。シミュレーションでは、衝撃波が鋼床版およびアスファルト層を伝播し、鋼床版に生じたき裂によって反射し、センサーに入射する様子を明確に示すことができた。センサーで検知した信号には、種々の波が重複していることが分かったが、ウェーブレット解析により、縦波を抽出し、RMS値で評価することによりき裂で反射した波を検出できることが分かった。 以下得られた結果をまとめる。 ・き裂による反射波の存在を捉える手法として,ウェーブレット変換が有効であった. ・弾性波がき裂に対して大きな角度を持って衝突した場合は,き裂後に位置するセンサではPの値に正常時と差が小さく,判断しにくい.しかし,き裂に対して弾性波が垂直に入る位置,加振点とセンサの垂直二等分線上の位置にあるき裂ではPが大きな値となり十分診断可能だと言える. ・鋼版を加振することで,アスファルト上のセンサでき裂による弾性波の変化を検出できた.超音波法では何度も走査する必要があるが,こうして弾性波を用いることで一度に検査できる範囲を広くとり,検査時間の短縮が可能になる.
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