2011 Fiscal Year Research-status Report
ステップ・オン・インタフェースの高機能化とさまざまな形態での実現
Project/Area Number |
23560300
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松丸 隆文 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10313933)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ヒューマン・ロボット・インタラクション / ステップ・オン・インタフェース / プロジェクタ / レンジ・スキャナ(2D距離センサ) / カメラ画像処理 / レーザー・ポインタ / OpenCV / Kinect |
Research Abstract |
H23年度は,投影画面上のユーザ指示位置の検知をカメラ画像処理により実現するための基礎的な検討を主に実施した.これには,PCにプロジェクタとWebカメラが接続されるだけの単純なシステムを用いた.当初は,セキュリティ・システムや車載センサ・システムのために製品化されているCCDカメラや画像処理ボードを用いることを計画していたが,最近のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及にともない,高性能で安価なUSB接続のWebカメラが容易に入手できるようになったためである. Windows上のソフトウェア統合開発環境であるMicrosoft Visual Studioを用いてプログラミングを行なう.コンピュータ・ビジョン向けライブラリとして,当初はDirectShowを利用していたが,途中からOpenCVを用いることに方針を転換した.DirectShowの利用では,ある条件下で,壁に投影した操作画面の位置と大きさをカメラで認識し,操作画面上にレーザー・ポインタより照射されたスポット光点の位置もカメラで計測できるプログラムを作成した.現在は,OpenCVの利用でも同様な機能を実現できるように再プログラミングをしている. さらに,床面に投影した操作画面上に置かれたユーザの足などの位置を,従来のレンジ・スキャナ(2D距離センサ)ではなく,ゲームデバイスであるXbox 360 Kinectセンサで認識する方法を検討するサブテーマも開始した.Kinectに内蔵されたRGBカメラと深度センサからのデータを処理することになるが,現在利用できるSDKは「Kinect for Windows SDK」と「OpenNI」であり,まずはそれらを使いこなそうとしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」で記述したように,コンピュータ・ビジョン用のライブラリとして,当初はDirectShowを利用していたが,途中からOpenCVを用いることに実施方針を転換したことが大きな理由の一つである(研究内容の変更ではない).DirectShowは,Microsoft社がWindowsシリーズのマルチメディア機能を強化するために提供している拡張API(application program interface)群であるDirectXの一部であるため,汎用性や拡張性が限定される.それに対してOpenCVは,C言語やC++により記述することが可能であり,WindowsやLinuxなどの複数のプラットフォームに対応するとともに,オープンソースソフトウェア(OSS)として提供されているため,誰でも無償で利用できると利点があるので,今後の機能拡充や他のプラットフォームへの移植性などを考慮して,途中で方針を転換した.
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」で示したように,DirectShowからOpenCVへのビジョン・ライブラリの変更を主因として,プログラム開発が当初の計画よりも遅れがちである.今後はここに注力してプログラムの完成度を高めてゆくことを第一に考える. 研究課題名にある「さまざまな形態での実現」の具体的項目として,従来のレンジ・スキャナ(2D距離センサ)からの距離データ処理や本研究課題で開始したカメラ画像の処理以外の方法として始めたKinectセンサの利用についても,引き続き検討を進めてゆく. さらに,プロジェクタ(遠隔投影)とセンサ(遠隔検知)の組み合わせについて,購入した市販品を重ねて置いた現在の構成だけでなく,一体化した小型軽量デバイスの設計製作を検討する.これには適切な協力企業を見出すことが重要である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「研究実績の概要」で示したように,H23年度に実施した,投影画面上のユーザ指示位置の検知をカメラ画像処理により実現するための基礎的な検討では,PCにプロジェクタとWebカメラが接続されるだけの単純なシステムを用いたために,あまり費用がかからずに,当初の予算を使い切ることはなかった.しかしながら,画像処理アルゴリズムの確立に手間取っているため,H24年度は注力人員の増強などプログラム開発の体制を整えるので,ここに資金を投入する必要がある. プロジェクタとセンサを一体化した小型軽量デバイスの設計製作は,当初の実施計画どおりに開始する予定である.
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