2011 Fiscal Year Research-status Report
微細手術支援ローカル操作型着脱式術具マニピュレータ
Project/Area Number |
23560306
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 俊和 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90460766)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ローカル操作 / マニピュレータ / 従来術具 / 直感的ユーザインタフェース / 内視鏡下手術 |
Research Abstract |
内視鏡下手術において,正確に手術を行なうためには,2本の鉗子で臓器など組織を把持・牽引して視野を展開し,三本目の術具で剥離や切離する微細な手技が重要である.また,患部周辺の状況を的確に把握して手技を進めることも重要である.もし,清潔野の執刀医が両手に術具を持った状態で直感的にローカル操作できる,臓器の把持・牽引が可能な単純小型の内視鏡下手術支援マニピュレータ(Locally Operated Detachable End-effector Manipulator,LODEM)があれば,患者の傍でスムーズに視野を展開できるソロサージェリーの実現に繋がる.執刀医の第三の手として使い慣れた従来鉗子が装着可能で簡便に設置可能なマニピュレータを,内視鏡モニタを見ながら清潔野で操作できるLODEMが開発されれば,医師と共存・協調する手術支援ロボットの有用性を示すことができる. 本研究の目的は,従来鉗子が着脱可能で臓器など組織を把持・牽引できるマニピュレータを,鉗子先端が水平面と長軸方向に移動するよう清潔野の執刀医が手足でローカル操作する,ローカル操作型着脱式術具マニピュレータLODEMの開発である. 本年度は,臓器など組織を把持する着脱式鉗子駆動機構と牽引する術具位置決めアームで構成される従来術具を着脱可能なマニピュレータを設計試作し,鉗子先端が水平面と長軸方向に移動するマニピュレータ先端の位置制御モデルを構築して,手先スイッチ型とフットマウス型のローカル操作機構を試作した.動特性を計測し,また,経験豊富な内視鏡外科医らによる手先スイッチ型機構を用いたタスクモデル実験より実用レベルの操作性が確認された.ビーグル犬を用いた胆嚢摘出術により実用レベルの臓器把持および牽引機能が確認された.LODEMの基本性能と限界を明らかにし,また,機構制御の改良の方策を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
マニピュレータ機構は,水平多関節アームの先端に受動ジンバルを設けた構造とし,複数種類の従来鉗子を着脱可能な機構を設計試作した. 操作インタフェースでは,マニピュレータが内視鏡の姿勢に追従するようセンシングしてレジストレーションを行い,視野内で平面移動する制御系を構築した.操作入力機構は,フットマウス型とジョイスティック型を設計試作した.当初のマスタ・スレーブ制御系に加え,これを応用したスイッチ制御系を構築して手先スイッチ型の操作入力機構を試作した. 上記の試作機を用いた操作実験で,医師など複数名を対象として,術野展開に必要なタスクを踏まえたラボ環境下での実験と動物in vivo実験を行い,機能性や操作性を評価した.評価結果を踏まえ,明らかになった機構系と制御系の課題の一部を改良し,さらにin vivo実験を行うことで,実用レベルの機能を確認した. このように,平成24年度計画の一部を先行実施し,当初の計画以上の進展となった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に明らかになった機構制御系の課題で未対応部分の研究に着手する.マニピュレータでは,滅菌性や,緊急時に対応できる機構制御系を検討する.操作インタフェースでは,手先スイッチの無線化や,新たな足操作インタフェースを検討する.改良試作機を用いたタスク操作実験,動物in vivo実験を行って,システムとしての機能性や操作性を評価する.さらに,単孔式など新たな術式への展開を図る.これらは,研究分担者を増やすことで効率的に推進する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マニピュレータや操作インタフェースの機構試作について,研究協力者の大学院生が製作することで構成部品を材料費レベルの安価にでき,次年度に使用する研究費が生じた. 当該研究費は,マニピュレータと操作インタフェースの設計試作に用いる物品費に上積みすることで,さらにスピード感を持って,本研究を推進する.
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Research Products
(12 results)