2012 Fiscal Year Research-status Report
反磁性グラファイト板の形状設計による高効率非接触駆動に関する基礎研究
Project/Area Number |
23560307
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 晴彦 福島工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30201578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 淳 福島工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70193472)
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Keywords | マイクロ・メカトロニクス |
Research Abstract |
反磁性グラファイト(PG:Pyrolytic Graphite)は、そのPG板試料の端部形状と周辺磁場に依存した反磁性磁気反発力が誘導され、PG板試料は室温で非接触に安定な磁気支持と、非接触駆動・変位を実現する。この反磁性磁気反発力は、静磁界中でも起こる現象であることから、これまでに我々独自の準静的な観測方法によって、PG版に誘導される反磁性磁気反発力を計測してきた。このような研究背景を経て、本申請研究では、PG板試料端部を特殊な形状に加工、または組み合わせることにより、PG板試料端部に作用する反磁性磁気反発力が、消失・減少・増倍していくことの初期特性を、本申請研究の初期実験により観測している。 平成23年度は、(A)「PG板試料端部形状に依存した反磁性磁気反発力精密計測」、(B)「PG板試料の厚み方向の形状加工による反磁性磁気反発力の特性観測」、(C)「永久磁石軌道上の異なる磁場勾配に依存したPG板試料の反磁性磁気反発力の観測」を計画したが、震災による実験設備環境の復旧の遅れにより、(B)のみの実施に留まった。 平成24年度の研究実績:PG板試料に誘導される反磁性磁気力が試料の厚みに依存し、試料端部を厚み方向に加工すると、その反磁性磁気反発力の大きさを制御(抑制)できることが明らかになってきた。また、その厚みに依存した反磁性磁気反発力の特性を、高効率な非接触リニア駆動に適応するために必要な初期データを得るに至ったが、サブミリニュートンレベルの微小変化を精密に捉えていくこと、また、長尺の永久磁石軌道上に、ある特定の磁場勾配を形成したポイントを連続的に形成することも必要であるため、現在、計測制度の改善と計測システムの改良を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年3月11日の東日本大震災、その後の、4月11日の巨大余震により、既設計測機器である「磁場観測システム(東英工業製)」と「磁気反発力計測システム(自作システム)」に破損と不具合を生じ、平成23年度は、これらの機器の復旧・調整に、かなりの時間を要することとなった。また平成24年度は、23年度に初期観測ができたため、「PG板試料の厚み方向の形状加工による反磁性磁気反発力の特性観測」を継続観測した。その結果、PG板試料の厚み方向に加工した試料を利用することで、高効率な非接触駆動の可能性を示唆するデータが得られるようになってきた。 しかし、研究遅延を取り戻すべく平成24年前半まで、計測実験と調査研究を進めてきたが、津波による被災地に居住する研究代表者が、平成24年後半より体調を崩してしまい、研究遂行の指示と、それに必要な時間を確保できなくなってしまい、計画していたPG板試料の特殊加工、長尺永久磁石の設計・製作が取りかかれず、年度内の実施を見送らざるを得ない状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の体調が復調にあり、研究スケジュールの再構成を進めている。平成24年度後半に計画していた「長尺(400mm)のハイブリッド型永久磁石の設計製作」を、現在進めており、この長尺永久磁石を用いた「連続に配置した永久磁石小片によって形成される磁場における、厚み方向に端部形状の異なるPG板試料に作用する反磁性磁気反発力」の詳細な計測を、平成25年度中期までに行う。 またそれと同時に、高効率に非接触駆動するモデルを、計測データと磁場解析によって設計し、その初期実証実験を長尺永久磁石軌道と同心円形状のHalbach(ハルバッハ)配列永久磁石によって行う。 これらの研究データをまとめ、2014年8月にリンツ・オーストリアで開催される国際会議、LSMB14(International Symposium on Magnetic Bearings)に投稿予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度には厚み方向の形状について初期検討し、概ね形状設計の見通しがついた。これをもとに、新規のPG版試料(特注)を購入し加工を施す。また、磁場環境による反磁性磁気力の特性観測を行うために、Nd系永久磁石(寸法などを特注)を購入。 また、「連続に配置した永久磁石小片によって形成される磁場における、端部形状の異なるPG板試料、および連結するPG板試料に作用する反磁性磁気反発力」を計測するために、「長尺(400~500mm)のハイブリッド型永久磁石(特注)」を購入する予定である。 また、年度内の国内発表(3件)、論文投稿(2件)を予定しており、学会発表の出張経費の支出を予定している。
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Research Products
(2 results)