2013 Fiscal Year Annual Research Report
超短パルス高電界がん治療法のための高強度バーストパルス列電磁波の生成と効果の研究
Project/Area Number |
23560312
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
南谷 靖史 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (10323172)
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Keywords | がん治療 / 高周波バーストパルス / SOSダイオード / 共振伝送線路 / 磁気スイッチ / アポトーシス / 出芽酵母 / HeLa細胞 |
Research Abstract |
本研究課題ではがん細胞にナノ秒の高電界を印加して,細胞にアポトーシスを再生させ,がんを治療する超短パルス高電界によるがん治療法におけるパルス高電界印加方法を確立するため,患部に高電界パルスを印加できる高強度高周波パルス電磁波放射装置の研究,細胞へのパルス電磁波による高電界印加実験を行うことを目的としている。 25年度では200MHzの単一周波数で±10kVの両極性高電圧パルス列を500nsの間,連続して発生する装置の設計,試作,評価を目的としていた。25年度はSOSダイオードと可飽和リアクトルを用いた方法に目的の周波数の1/4波長のケーブルを組み込みSOSダイオードのオープニング動作時に持つ周波数成分に共振させ出力を取り出すことで出力周波数を制御する方法を検討した。これにより約200MHzの周波数まで単一周波数で両極性パルスを得ることができるようになった。パルス持続時間は180MHzの高周波でも目標の3倍の1500nsの間得られるようになった。しかし出力電圧が最大±3kVと目標の1/3しか得られなかった。出力電圧はSOSダイオードの逆方向電流の大きさに依存しており,より大きい逆方向電流を流せるSOSダイオードが使えれば解決する。 両極性高電圧パルス列により発生させた電磁波と高電界による大腸菌,真菌,がん細胞の挙動実験は,110MHzまでの,100kV/cmの両極性パルスで子宮頸がん細胞であるHeLa細胞について検証した。55MHzで細胞死を起こすことができ,電界強度を上げたことで細胞膜に影響が出たと考えられる。そして3.5MHzと55MHzで行われたCaspase3の検出では発現が認められPARP-1の発現も検出された。これらよりアポトーシス反応が起こっているが,DNAの断片化までは至っておらず,途中でアポトーシスが妨げられていると推測された。
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