2011 Fiscal Year Research-status Report
連系・自立どちらの運転状態でも高性能を発揮する新しい構造切り替え型電力変換装置
Project/Area Number |
23560318
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
船渡 寛人 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60272217)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 分散電源 / 自然エネルギー / スマートグリッド / 系統連系 |
Research Abstract |
1.ディジタルヒステリシス制御インバータ(DHI) LCフィルタ付き単相インバータのディジタル制御について、FPGAをベースとしたディジタル制御装置を開発して、実験を行った。実装した制御法は、昨年度までに提案している制御法であり、LCフィルタによる共振を状態フィードバックで抑制して、内側インダクタの電流をヒステリシス制御で制御する方法である。50Hz,100V,1kWを系統に出力する系統連系実験において、波形の総合歪み率(THD)2.48%,定常振幅偏差1.56%を実現した。状態フィードバックを行わないディジタルヒステリシス制御のみの場合は、シミュレーションベースでTHD 7.98%,定常偏差7.09%なので、大幅な改善が実現できた。ヒステリシス制御で問題となるスイッチング周波数の変動は、5kHz~22kHzの範囲となり、動作に支障無い範囲に収めることができた。2.ハイブリッドフィルタ付きインバータ(HFI) ハイブリッドフィルタ付きインバータについて、これまで検討していなかった単独運転時の制御特性について、シミュレーションでの検討を開始した。リニアアンプを駆動する信号の検出点については、出力電圧部分が良いであろうという結果が出ている。リニアアンプの構成については、系統連系動作時の電流制御と同等の構成で行う。過渡応答の解析等については、24年度以降の解析となる。3.実験装置の開発 ハイブリッドフィルタを実装するヒステリシス制御インバータについて、ハイブリッドフィルタ部分の設計を行い、部品を発注した。ハイブリッドフィルタについては、APEX社のPA-12というパワーオペアンプを使用することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
震災に伴う30%削減により、予算が一時的に不足しており、物品の発注が予定通り行かなかった。削減が固定化されれば、実験装置等の規模や設計を変更する必要が有るので、理論検討・シミュレーション等も一時凍結していた。そのため、予定よりも遅れて進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、平成23年度積み残し課題である(1)ディジタルヒステリシス制御における、●系統連係運転に伴うフィルタパラメータおよび制御パラメータの最適化、●系統連係運転に適したフィルタ特性補償制御の開発、(2)ハイブリッドフィルタにおける●過渡応答の解析および改善、●フィルタパラメータとリニアアンプ容量の検討、の各項目について優先的に取りかかる。 引き続き、本来の平成24年度課題である、(1)DHIの実験装置への実装、について、切り替え構造に適した新しい単相インバータを製作して、DHIを実装する。(2)2台目の実験装置の製作、について1台目と同様のインバータを製作する。なお、製作に当たっては、基板切削装置を導入したため、1台目の設計・製作が成功すれば、2台目の製作には時間が掛からないことが見込まれる。(3)統合した新しい変換器の検討、については、ハイブリッドフィルタの配置を検討して、翌年度以降に備える。 成果発表としては、平成24年度に当初計画通りEPE-PEMCという国際会議での発表が、既に申込み済みであり、決定している。単独運転時のハイブリッドフィルタについて基礎的な検討を発表する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度使用予定だった研究費の内、7万円ほどが残った。これは、震災の影響に伴う研究の遅れに依る物であり、研究が進むにつれて電力変換回路用部品、および制御回路部品を購入することで使用する。 平成24年度の研究費については、当初計画とほぼ同様に、電力変換器を製作するための電子部品類および製作に当たって、学生に支払う謝金に主要部分を充てる。成果発表としては研究推進方策にも記載したとおり、EPE-PEMCにおける発表を予定しており、年度末までには電気学会論文誌への投稿も予定している。
|
Research Products
(1 results)