2013 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導回転機用巻線の交流損失低減手法とそれに基づく最適化設計の研究
Project/Area Number |
23560320
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福井 聡 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70293199)
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Keywords | 高温超伝導コイル / 交流損失 / 高温超伝導回転機 |
Research Abstract |
本研究では,高温超伝導回転機の界磁巻線を構成する高温超伝導複合コイル系に主たる焦点を絞り,交流損失メカニズムに基づいた損失最小化設計手法の開発に特化した,(a) 高温超伝導巻線に発生する交流損失の評価法の確立,(b) 高温超伝導多極複合コイル系の低 交流損失巻線構成の解明,(c) 高温超伝導多極複合コイル系の低交流損失化巻線構造設計法の明確化に注力する研究を行った。全研究機関を通して以下の成果を得た。 本研究ではまず,高温超伝導コイルの交流損失化特性を精度良く測定する手法の開発行った。パワーメータを用いた電気的測定法(パワーメータ法)と液体窒素の蒸発量から交流損失を求める測定法(蒸発法)の2種類の測定法を開発した。開発した測定方法を用いて,小型のBi系高温超伝導コイル(インダクタンス120mH)の損失を測定した。また,線材の損失データからコイルの交流損失を解析するモデルを開発し,測定結果の妥当性を評価した。その結果,パワーメータ法と蒸発法による測定結果と理論解析結果の3者はそれぞれよく一致した。線材の交流損失データに基づいて高温超伝導コイルの交流損失特性を数値解析する理論モデルをベースに,回転機の界磁巻線の交流損失を解析する解析コードを開発した。これを用いて,12極及び16極構成の界磁コイルの最適化設計例を理論的に示すことができた。交流損失を大幅に低減できる要素モデルコイルを開発した。また,巻数が同じで交流損失低減構成を考慮していない構造のコイルも同時に試作した。パワーメータ法を用いてこれらのコイルの交流損失特性を測定し,交流損失低減設計のコイルでは約30%程度交流損失が低減できることがわかった。
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