2011 Fiscal Year Research-status Report
アーク放電に接している電気接点表面の高速度分光撮影による接点消耗過程の研究
Project/Area Number |
23560322
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
関川 純哉 静岡大学, 工学部, 准教授 (80332691)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 電気接点 / リレー / コンタクタ / 接触 / コネクタ |
Research Abstract |
平成23年度は、電気接点等速開離装置(以下では開離装置と略す)と一台の高速度カメラとを含む既設の基本的な実験・測定システムに、高速度カメラを一台追加し、開離時アークを高速度分光撮影する手法の確立を目的として研究を実施した。 使用した電気接点の材料は純銀(99.99%)である。銀は主に中負荷用の電磁リレーで母材として使用されている材料であり、他の銀系合金材料との比較のための基準となる材料である。開離装置で使用する試料接点対の形状は直径5mm、長さ20mmの円柱であり、その端面を接触面とする。接点表面状態を撮影しやすいように、被撮影側の接点表面形状は平面、対になるもう片側の接点表面は曲面とした。家庭用直流給電を想定した中負荷領域の回路条件として、電源電圧は直流48V、回路電流は10A程度とした。この条件において、開離時アークの遮断時のアーク長さは1mm程度である。 発光の中心波長が470nmである照明用の青色LEDを用いて接点表面を照らし、光学バンドパスフィルタ(透過中心波長:470nm)がレンズに取り付けられている高速度カメラを用いて開離時アーク発生中の接点表面を撮影した。この光学バンドパスフィルタによって、開離時アークの発光による光が遮断され、青色LEDによって照らされている接点表面のみを高速度カメラで撮影することができる。その結果、開離時アーク発生期間中の接点表面を高速度撮影することに成功した。また、接点表面とアーク放電の様子を、それぞれ別の高速度カメラで同時撮影することも可能となった。これらの成果により、次年度以降で計画している実験条件の拡大に対応することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高速度分光撮影、および接点表面状態と開離時アークとの同時撮影が可能となったことから、本年度の目的は達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果として確立した撮影手法を活用し、実験条件を広く変化させる。電源電圧は48Vから300V、回路電流5Aから30Aを想定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画に沿って、主に消耗品費と、国際会議や国内学会・研究会への参加のための費用として使用する。消耗品として、実験装置の改良と維持のために、光学部品や電子部品などを購入する。
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