2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23560323
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横水 康伸 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50230652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 年郎 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90126904)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 電気機器 / 大電流 / 限流遮断 |
Research Abstract |
限流機能を具備した直流適用型固体遮断器の基礎的特性解明から着手することとし,定常電流遮断を取り上げた。直流遮断回路における時定数が大きくなるにつれて,直流電流の遮断が困難になることが予想されることを鑑みた。モデルIGBT型直流遮断器にDC120Vのもとで,DC80Aの遮断を課すこととし,直流回路の時定数を120から, 930, 2000および3,500 micro sに設定した。回路時定数120 sの場合,モデル遮断器はDC80Aを約7msで限流遮断した。回路時定数が長くなるにつれて,遮断器端子間には電源電圧を超える電圧が発生し,時定数3,500 micro sの場合には,約210Vの電圧が一時的に発生する。しかし,モデル遮断器は,このような長い時定数下でも,約7msで,すなわち遮断時間が増長することなく,限流遮断した。 遮断器の遮断特性の一つとして,過渡大電流遮断に対する遮断特性がある。そこで,モデルIGBT型直流遮断器を12 Ωの抵抗器を介して120 Vの直流電圧源に接続し,10 Aの定常電流を通電した。一定時間経過後に抵抗器の一部を短絡させ,モデル器に流れる電流を40 A,60 A,80 A,100Aおよび120Aに急増させた。電流40 Aに対して,モデル器は限流遮断に成功した。ここでは限流遮断時間は約7 msである。さらには,遮断すべき電流が120Aに増加しても,遮断時間はほとんど増長せず,直流電流を限流遮断することを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長い時定数を有する直流回路での遮断特性を把握することできた。また,過渡大電流に対する遮断特性も明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
直流固体遮断器の機能展開の一つとして,定常損失の低減対策を考案し,モデル器を試作する。パワー半導体の順電圧降下は,平常通電時の定常損失を引き起こしてしまうからである。現時点では,金属接点の併用によるハイブリッド構成を考えており,その回路仕様を考案する。 定常損失の低減を目指した仕様のモデル器を,直流遮断回路に組み込み,定常電流の通電特性を明らかにし,定常損失の低減効果を実証する。また,電流通電から電流遮断への過渡期間において,金属接点部でのアークレス達成およびパワー半導体部への高速転流達成のための仕様を考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・「物品」:本研究は,パワー半導体および制御関係部品を用いた遮断器を試作する。これにあたり,パワー半導体および制御関係部品の購入を計画している。さらに,試作した遮断器の電気的諸特性を計測するために,計測器の購入を計画している。これらの合計として,1,570,000円を計上している。・「旅費」:学会大会および調査の旅費として,100,000円を計上している。・「その他」:学会参加費として,30,000円を計上している。
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Research Products
(3 results)