2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560323
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
横水 康伸 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50230652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 年郎 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90126904)
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Keywords | 遮断器 / 大電流 / 限流遮断 |
Research Abstract |
固体遮断器に電流抑制機能を具備させ,遮断器の遮断責務を低減することとし,電流抑制部(限流器)の回路構成を検討した。この回路構成の特徴は,抵抗素子,インダクタンス素子,キャパシタンス素子およびダイオードなどから構成されること,すなわち,制御回路および制御用電源を不要とすることである。この条件を満たす回路構成として以下を見いだした。すなわち,インダクタンス素子と抵抗素子との並列接続から構成される回路である。同限流器を直流給電回路に導入し,突入電流に対する限流動作を,以下に述べるように,確認することにした。電気回路の過渡現象論に基づき,回路方程式を構築し,回路方程式を解析的に解くことによって,限流器に流れる電流などを解析式で表すことができた。次いで,電源電圧120V,突入電流の定常値100Aに対して,限流器に流れる電流を導出し,限流効果を検討した。その結果,以下のことがわかった。(i)突入電流をその立ち上がり(およそ10ミリ秒)に対して,限流できること,(ii) 抵抗として1~5オームで十分であること, (iii) インダクタンスとして数ミリヘンリーに設定すれば,立ち上がり時間が長くなり,限流効果は高くなる。したがって,固体遮断器は長くても10msで遮断動作を完了するため,遮断器が遮断すべき電流値は,限流器によって抑制できる。 本研究を総括すれば,以下に示すとおりである。パワー半導体を用いた固体遮断器は,負荷電流の通電時に定常損失が発生するという欠点を有しているが,電磁リレーの併用によって,定常損失を低減できる。電流遮断時には,回路インダクタンスや遮断電流の大きさによらず,遮断時間を所定時間に制御できる。特に,高い回路インダクタンスの場合でも,同遮断器は遮断時間を増長することなく,限流遮断できる。本研究で考案した電流抑制部は,限流遮断過程における遮断電流を抑制できる。
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Research Products
(3 results)