2013 Fiscal Year Annual Research Report
高密度パルス放電プラズマを用いた機能性アモルファスカ-ボン成膜装置の開発
Project/Area Number |
23560324
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 高志 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60225042)
|
Keywords | アモルファスカーボン / 化学反応性プラズマ / パルスパワー / マグネトロンスパッタ |
Research Abstract |
機能性アモルファスカーボンの成膜(コ-ティング)を次世代のプラズマプロセス装置として期待されている高パルスパワー投入マグネトロンスパッタ装置(HiPIMS)を用いて実現することを目的としている。本年度は、HiPIMSによるアモルファスカーボン膜の特性改善に関する研究に加えて、反応性ガス(ハイドロカ-ボン系ガス、窒素、フルオロカーボン系ガス)を混入したHiPIMSによるアモルファスカーボン膜の作製に関する実験研究を行った。 バッファガスであるアルゴンにハイドロカ-ボン系ガス(メタン、アセチレン)を混入したHiPIMSを用いた場合,スパッタによる物理蒸着と解離により生成したラジカルによる化学蒸着の二つのプロセスによる成膜が行われ、5%のメタンガスの添加で成膜速度は純アルゴンの場合と比べて2倍になり、30%以上のメタンガスの添加でおよそ6倍程度に達した。一方、硬度はメタンガス混入率の増加に伴い低くなり、10%程度の混入率で純アルゴンガスのHiPIMSで実現された硬度の1/2程度まで軟化した。次に、窒素ガスを混入したHiPIMSを用いた場合、少量の窒素混入でさえ窒化炭素膜が形成され、その硬度は窒素混入率が2.5%の場合で21-22GPaの最大値に達し、純アルゴンで作製したアモルファスカ-ボン膜に比べ30%程度、従来のマグネトロン方式で作成した膜に比べ90%ほどの改善が実現できた。また、フルオロカーボン系ガスを混入したHiPIMSを用いた場合,カ-ボン膜の接触角が65度からおよそ120度にまで大きくなり、撥水性の機能を付加することが確認され、より高い生体適合性の可能性を示唆することができた。
|
Research Products
(4 results)