2012 Fiscal Year Research-status Report
3次元ギャップ構造を有するレアアースレス風力発電システムの開発
Project/Area Number |
23560335
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森本 茂雄 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00210188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 雅之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90264803)
井上 征則 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50580148)
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Keywords | 発電機 / 風力発電 / 3次元構造 / レアアースレス |
Research Abstract |
磁界解析による検討結果より、等価的なエアギャップ長の短縮効果が大きく、高トルク化が期待できる3次元ギャップ構造の特性を検討するために基本特性評価用試験装置を製作した。3次元ギャップ構造の試作機においては、軟磁性材料による特性の違いも明らかにするため、一般的な電磁鋼板に加えて圧粉磁心を使用した試作機も製作した。実験によりトルク特性、鉄損特性について様々な運転状態を想定して実験を行い、基本特性について詳細に検討した。 トルク特性については、解析結果と同じように3次元ギャップ構造による高トルク化効果が確認できた。圧粉磁心を使用した場合は、約80%のエアギャップを持つ通常のフラットギャップモデルと同等のトルク特性が確認でき、電磁鋼板を使用した場合は、さらに大きなトルクが得られた。 一方、鉄損特性については、3次元ギャップ構造を用いることで鉄損が大きくなることがわかった。商用電源(60Hz)で例示した場合は、電磁鋼板に比べて圧粉磁心を使用した試作機の鉄損増加が著しかった。これは、試験を行った60Hzの周波数では、圧粉磁心のヒステリシス損の影響が大きいためと考えられる。実際のモータに適用した場合は、一般にPWMインバータで駆動されるため、その状態を想定してPWMインバータで例示した場合の特性について検討した。PWMインバータで駆動した場合は、PWM高調波の影響で鉄損は増加するが、電磁鋼板に比べて圧粉磁心を使用した場合の鉄損増加は小さく押さえられた。これは、圧粉磁心による渦電流損の低減効果によるものと考えられる。電磁鋼板と圧粉磁心にはそれぞれ得失があるので、それらの特徴を活かした活用法についても検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電磁鋼板と圧粉磁心を使用した基本特性評価用試験機を製作して試験評価を行い、3次元ギャップ構造の効果と課題および電磁鋼板と圧粉磁心の得失について明らかにできた。しかし、風力発電機の設計、試作、試験評価は実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
電磁鋼板と圧粉磁心の特徴に基づいて各材料を使用した場合の最適構造を明らかにし、発電機を設計、製作して実験による特性評価を行う。また、適切な発電機制御システムを構築して、試験により総合的な性能評価を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設計した発電機を実験で評価するために、発電機の試作費を使用する。 発電機制御システムを構築するため、パワエレ用ディジタル制御システムとインバータを購入する。 調査活動、研究発表のために国内外の学会などに参加する参加費、出張費用を使用する。
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Research Products
(2 results)