2013 Fiscal Year Annual Research Report
複合励起形沿面放電発光デバイスの可能性に関する研究
Project/Area Number |
23560336
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
上野 秀樹 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90301431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 翔 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90633123)
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Keywords | 沿面放電 / 希ガス / ディスプレイ / 電力工学 / 電気機器工学 |
Research Abstract |
本研究は,沿面放電の制御技術を確立し,面発光デバイスへの応用を目指して,応用可能な輝度を持つ均一な面状沿面放電を安定に発生させることが最終的な目標である。ガス誘電体としてネオン(Ne)とキセノン(Xe)混合ガスを用いて,沿面放電の発生において,Xeの混合により紫外発光を得ている。また,発光のスペクトル強度は沿面放電電流に関係していることを明らかにしている。平成25年度においては,前年度までの知見をもとに検討を進めた。 放電電流や発光の状態から,その電離気体と固体誘電体との相互作用が関係しており,昨年度,負極性沿面ストリーマの進展速度が,正極性沿面ストリーマの進展速度に比べて大きくなる条件が,実験的に示され,これは負極性ストリーマの進展において,固体誘電体から電子供給で説明された。 今年度,パルス電圧印加時の沿面放電伸展の様子から紫外線の発生や高エネルギー電子の生成に深く影響する沿面放電伸展速度を計測した。沿面放電伸展速度は印加電圧より過電圧率に依存するため、放電開始電圧を下げることにより沿面放電伸展速度は増加することが分かった。また電圧印加時間が経過すると、電極間に発生する蓄積電荷は数ミリ秒オーダーの時間で蓄積し、放電路形成に対して影響を及ぼすことが分かった。 さらに,前年度Ne/Xeでの電子の平均自由行程,先端電界などのパラメータを考慮した理論的考察によりし,沿面ストリーマ先端の電子が,固体誘電体からの電子放出を引き起こすことが可能なレベルのエネルギーを持つ可能性すなわち電子線励起の可能性を示した。そこで,紫外光励起および電子励起の複合励起の可能性を実験的に検討すべく,電子線/紫外線の複合励起に対応した蛍光物質の選定を行い,ZnS系およびY2O2S系の系の白色発光の無機蛍光体膜の固体誘電体表面上への形成を試みた。
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