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2012 Fiscal Year Research-status Report

小型同軸マルクスで発生するメガワット級大電力短パルスマイクロ波を用いた滅菌処理

Research Project

Project/Area Number 23560350
Research InstitutionKobe City College of Technology

Principal Investigator

橋本 好幸  神戸市立工業高等専門学校, 電子工学科, 教授 (20270308)

Keywordsパルスパワー / マルクス回路 / 大電力マイクロ波 / 電子ビーム / 仮想陰極発振器 / 滅菌
Research Abstract

本年度は,以下の結果を得た。
① 同軸マルスク電源の動作解析:同軸マルクス電源を等価な電気回路に置き換え,SPICEシミュレータを用いて,動作解析を行った。負荷抵抗を5Ωとした場合は,マルクスの出力電圧および電流の最大値がそれぞれ,130kV,28kAと計算された。同様に,負荷抵抗が15Ωの場合は220kVで170kA,負荷抵抗が25Ωの場合は,270kVで12kAと計算された。また,負荷抵抗を15Ωとした場合のマルクス出力のパルス幅は半値幅で約100ナノ秒であった。
② マイクロ波発生条件の検討:実験の最適条件を求めるために,理論式を用いてマイクロ波の発生条件を算出した。その結果,陰極半径を固定した場合,仮想陰極発振器によるマイクロ波発生の閾値となるダイオード電圧およびダイオード電流は, ダイオードギャップ長を短くすると小さくなることがわかった。また,ダイオードギャップ長を固定した場合は,マイクロ波発生の閾値電圧と電流は,陰極半径が大きくなると小さくなることがわかった。ダイオード電圧が100~300kVの領域では,マイクロ波が発振するギャップ長/陰極半径の値は0.2~0.25となることがわかった。陰極半径10mmとした場合,ダイオード電圧が100~300kVの範囲でマイクロ波の発振周波数は約18GHzであることがわかった。
③ マイクロ波測定系の校正:仮想陰極発振器で発生した大電力マイクロ波の周波数を測定するために,導波管(WRJ-10)をロの字型に接続(約32m)し,実験室の天井部に配置した。ガン発振器により発生させたマイクロ波を同軸導波変換器を用いて導波管へと導いた。導波管の入口と終端にクリスタルディテクターを取り付け,マイクロ波の電力を測定し,導波管(32m)とベント(4個)によるマイクロ波の減衰率を求めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

電子ビームを生成する同軸マルクス電源は,従来からあるもの(約20年前に製造)を改良して動作させようとしていた。その電源の主パーツであるコンデンサに劣化が見つかり,充電が行えなかった。そこで装置を分解し,すべてのコンデンサ(約300個)の耐圧試験を行った。その後,劣化したコンデンサの交換を行い,装置の再組み立てをした。これらのトラブルを解消するために,全体の実験計画に遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

次年度は,以下の計画で実験を行う。
①「仮想陰極発振器を用いた大電力パルスマイクロ波の発生実験」(平成25年4~8月) マルクス回路にダイオードを取り付け,マイクロ波の発生実験を行う。ギャップ長を変化させて,出力されるマイクロ波の周波数を測定し,ギャップ長とマイクロ波の周波数の関係を調べる。ギャップ長を固定して,マルクスの充電電圧を変化させ,出力電圧と発生したマイクロ波の電力の関係を求める。また,マイクロ波照射領域で位置を変えて,マイクロ波を測定し,位置による電界分布を測定する。
②「大電力パルスマイクロ波照射による滅菌効果の確認」(平成25年8月~平成25年10月) バイオロジカルインジケータ(BI)をマイクロ波照射室に取り付け,最も高いマイクロ波電力が得られる実験条件で,マイクロ波を1回照射する。BIを低温インキュベーターで4時間~1週間培養して,滅菌効果を確認する。もし,滅菌効果が得られない場合は,同条件でマイクロ波を複数回照射して滅菌効果を確認する。 滅菌効果が現れた場合は,滅菌寒天培地にマイクロ波照射前後の指標菌を塗布し,低温インキュベーターで培養して,細菌の数をカウントしてD値を求める。
③ 「滅菌効果の大電力マイクロ波の実験パラメータ依存性の確認」(平成25年11月~平成26年2月) マイクロ波の電力および周波数を変化させ,指標菌にマイクロ波を照射し,滅菌に対する周波数効果の検証を行う。
④ 「実験結果のまとめ」(平成25年3月) 今までに得られた実験結果をまとめ,今後の実験手順について再考する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は、パルスパワー装置による電子ビームおよびマイクロ波の実験と、滅菌効果の検証を行うため,それに関係する部品・材料購入費,および真空容器に測定器を増設するための真空容器費として,以下の消耗品費の支出を計画している。
【消耗品費】620千円(内訳:真空容器費、真空部品、BI、ガラス機器,マイクロ波パーツ,その他部品等)
また,得られた成果を発表するために,国内発表(3件)および国外発表(1件)を予定しており,その旅費として下記の支出を予定している。
【旅費】270千円(内訳:国内旅費12万円,国外旅費15万円)
を予定している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 仮想陰極発振器を用いて滅菌用大電力マイクロ波の発生2012

    • Author(s)
      橋本 好幸
    • Journal Title

      プラズマ応用科学

      Volume: 20 Pages: 55-58

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 仮想陰極発振器を用いた滅菌用大電力マイクロ波発生における発振条件の考察2012

    • Author(s)
      橋本 好幸
    • Journal Title

      神戸市立工業高等専門学校研究紀要

      Volume: 51 Pages: 179-182

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 大電力パルスマイクロ波を用いた生体の活性化に関する研究

    • Author(s)
      橋本 好幸, 石田 裕太郎, 住本 優哉
    • Organizer
      神戸高専産学官技術フォーラム'12
    • Place of Presentation
      神戸市地域人材支援センター
  • [Presentation] 大電力マイクロ波発生用小型同軸マルクスの動作特性の評価

    • Author(s)
      橋本 好幸, 石田 裕太郎, 住本 優哉
    • Organizer
      平成25年電気学会全国大会
    • Place of Presentation
      名古屋大学

URL: 

Published: 2014-07-24  

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