2011 Fiscal Year Research-status Report
大気圧酸素中誘電体バリア放電による高効率オゾン生成に関するシミュレーション
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23560352
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
明石 治朗 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 応用科学群, 准教授 (20531768)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 大気圧放電 / 誘電体バリア放電 / 酸素 / オゾン / シミュレーション / ストリーマ / オゾンゼロ現象 |
Research Abstract |
本年度は計画通り酸素基礎データを収集、誘電体バリア放電プラズマ中の反応を精査し、酸素中でのシミュレーションコードを作成し、シミュレーションを行い酸素中での放電プラズマ構造を明らかにすると共にオゾン生成低下の原因を探った。一般的な実験条件下での大気圧酸素誘電体バリア放電中における放電の特徴として、一次ストリーマ、二次ストリーマ、小ストリーマの三種類のストリーマ及び沿面放電が発生すること、主として沿面放電によって誘電体表面に高密度のオゾンの前駆体である酸素原子が生成されること、しかしながら、誘電体近傍でのガス温度上昇によりオゾン生成が抑制されることなどがわかった。また、規模の小さな小ストリーマによるオゾン生成の寄与が十数%もあることがわかった。いずれも実験での測定では得られない詳細な放電構造を明らかにすることが出来た。また、現在、盛んに研究が行われている他のガスにおける大気圧誘電体バリア放電に対しても基本的な放電プラズマ構造を明らかにしたことで研究が進むことが期待できる。また、オゾン生成器の長時間運転によって生じる誘電体表面の劣化を考慮するため、誘電体表面からの二次電子放出係数の依存性の詳細を調べた。その結果、放電プラズマ中の電子密度分布に大きく影響を与えることがわかった。特に一次ストリーマの発生本数、ストリーマ径、電子増倍度など大きな変化が見られた。しかし、電流電圧波形等に対する影響はそれほどでもないこともわかった。また、この電子密度分布の大きな変化はガス温度分布、オゾン生成に対しても大きな影響を与えることがわかった。これらの解析と同時に窒素基礎データの収集及び窒素、酸素混合ガス中の放電プラズマ反応の精査を始めると共に、シミュレーションプログラムを最適化し、従来より放電プラズマをより精細かつ高速に計算できる方法を取り入れた。また、国際会議等で発表、学術論文を投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シミュレーションプログラムの作成、シミュレーション結果の解析により、これまで知られていなかった放電構造を解明し、オゾン生成の位置分布等を明らかにした。また、研究目的の一つである、オゾン生成を大きく左右する因子の一つを特定した。この因子によってオゾン生成が変化することがあきらかになった。研究の進むべき方向性はあっていると思うが、当機関における物品購入が迅速に行われないため、計画以上に進展させることは難しいが、おおむね、計画書通りの進度で研究が行われているため。
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Strategy for Future Research Activity |
窒素を混合したケースについてのシミュレーションプログラムを完成させる。純酸素中での解析結果において、オゾン生成の減少が認められる条件および認められない条件においてシミュレーションを行い、窒素混合の影響を解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度においては国内外の旅費で40万円印刷費として10万円、ソフトウェア10万円を予定している。
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