2013 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧酸素中誘電体バリア放電による高効率オゾン生成に関するシミュレーション
Project/Area Number |
23560352
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
明石 治朗 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 応用科学群, 准教授 (20531768)
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Keywords | 大気圧放電 / 誘電体バリア放電 / 酸素 / オゾン / シミュレーション / ストリーマ / オゾンゼロ現象 / 窒素原子 |
Research Abstract |
本研究では以下のことがわかった。 第一にオゾン生成装置において長時間稼働時に発生する急激なオゾン生成低下に関して、長時間稼働の後に誘電体表面、金属電極表面がイオンによるスパッタリングにより非常に粗く侵食されることから、二次電子放出係数が変化することが考えられた。そこで二次電子放出係数依存性のシミュレーションを行った。その結果、誘電体表面における二次電子放出係数の低下により誘電体近傍でのガス温度が非常に高温となることがわかった。この温度上昇によりオゾン生成が抑制されることが主な原因であることを明らかにした。 第二に急激なオゾン生成の低下後、微量窒素および一酸化窒素ガスの導入によるオゾン生成の回復現象を解明するためにシミュレーションを行った。これらのガスを放電終了後の状態に導入した結果、窒素原子がオゾン生成の回復をもたらす、主な要因であることがわかった。また、窒素原子密度を多くしても、窒素酸化物によるオゾンのクエンチングが大きくなるため、ある程度までしかオゾン回復が行われない結果が得られた。これは、実験で得られているオゾン回復が100%でない結果を示唆するものと言える。窒素と一酸化窒素では窒素原子は窒素からのほうが得られやすいが、それぞれの解離エネルギーを比較すると、一酸化窒素の方が低いため、実験結果同様、一酸化窒素の方が回復をさせやすいことがわかった。 第三に誘電体近傍でのガス温度上昇を抑制した場合に、通常得られるストリーマによる自己組織化が起こらずにグロー状放電による誘電体近傍のみに発生する自己組織化されたプラズマ領域が発生することがわかった。ガス温度の制御が可能となれば、このプラズマによる高効率なオゾン生成が可能となることがわかった。 これらの結果を国際会議及び学術雑誌に投稿し、掲載が決定してる。
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