2013 Fiscal Year Annual Research Report
高効率光デバイスの実現に向けた低欠陥量子ドットの特性解明に関する研究
Project/Area Number |
23560354
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岡本 浩 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (00513342)
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Keywords | 量子ドット / サーファクタント / DLTS法 |
Research Abstract |
本研究の目的はBiをサーファクタントとして用いて形成した低欠陥量子ドット(QD)に残存する欠陥並びにQDからのキャリア放出の特性を調べ、デバイス応用に向けた指針を得ることであり、前年度に引き続きDLTS法における評価並びにその手法の向上に関する検討を進めるとともに一昨年度方針に加えたIV族材料系によるナノドットの作製手法の検討を行った。 前者のQDの欠陥並びにキャリア放出の特性に関しては前年度に引き続き独自手法により形成したBiサーファクタント成長QDに対し接合容量の過渡応答特性を利用した深い準位の過渡応答スペクトル法(DLTS法)による検討を進め、特に捕獲バイアス電圧と定常バイアス電圧の依存性の詳細な評価と解析から、同QDとその周辺には欠陥が極めて少ないことが確かめられたことに加え、QDのキャリア捕獲・放出特性に関してはトンネル過程が関与したメカニズムによって説明が可能であることを明らかにした。なおこの間、DLTS評価手法の改良をGe-MIS構造を用いた評価を通じて進めた。また、電流の過渡応答を測定し、光パルスによるキャリア誘起も可能な電流・光DLTS評価法に関してもシステムの構築を進め、同DLTSスペクトルの測定が可能となったため、研究期間終了後も評価を継続して進めていく。後者のIV族材料系によるナノドットの作製手法の検討に関しては前年度開発したBiをサーファクタントとしてGeナノドットをSi基板上並びに石英基板上に形成する技術を進展させ、室温付近の低温においても高密度なGeナノドットが形成できる条件を見いだした。この知見を研究期間終了後は新たなテーマに引き継ぎ、その形成条件の検討とデバイス応用に向けた研究を行っていく。
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