2013 Fiscal Year Annual Research Report
ゼーベックマイクロプローブ法を用いた熱電材料の異方性評価と性能最適化に関する研究
Project/Area Number |
23560363
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中本 剛 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (10283152)
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Keywords | ゼーベック係数 / マイクロプローブ法 / 熱電変換材料 |
Research Abstract |
本年度は、まず、熱電材料におけるゼーベック係数の二次元分布評価と結晶組織との相関について各材料系において以下に記す知見を得た。 1、ビスマス-テルル系:ビスマスサイトをアンチモンで部分置換し、さらにテルルを過剰に添加した系の単結晶試料において同一インゴット内でゼーベック係数が結晶成長方向に沿ってP型からN型へと極性反転することを見出した。これは、ドーパントの役割を担う過剰添加テルルの濃度勾配に由来することを明らかにした。2、亜鉛-アンチモン系:結晶粒分布に由来するゼーベック係数分布を明瞭に観測できた。結晶方位によって約20%のゼーベック係数の違い(異方性)が存在することを明らかにした。また亜鉛サイトをカドミウムで部分置換した系においては、カドミウム分布の斑に由来するゼーベック係数分布が存在することを見出した。3、スクッテルダイト系:フラックス法により育成したスクッテルダイトの母結晶とフラックス界面において、結晶組織を反映したゼーベック係数分布を明確に検出できた。 次に、他の機能性材料評価への応用を図るために、測定の高速化と精密化を試みた。このために熱浴部にペルチェモジュールを搭載し、試料温度の精密制御を行うと同時に、従来プローブ側に設けていた加熱用ヒーターを廃止し、代わりに熱浴の温度を制御することで試料に温度差を与えてゼーベック係数を求める方法を採用した。この結果、試料温度の約0.1Kの精度での制御が可能となり、温度緩和を強制的に行うことで測定時間を約1/3まで短縮することができるようになった。
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Research Products
(3 results)