2011 Fiscal Year Research-status Report
光第二高調波発生によるタリウム系化合物のナノ空間変調構造の評価
Project/Area Number |
23560371
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
脇田 和樹 千葉工業大学, 工学部, 教授 (80201151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 功次郎 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40305652)
沈 用球 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20336803)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ材料 / 電子・電気材料 / 応用工学・量子光光学 / 共焦点顕微鏡 / マイクロマシン / 国際情報交流 |
Research Abstract |
ブリッジマン法を用いてTlInSe2やTlInS2単結晶の作製を行い、X線回折により結晶構造の確認およびEPMAにより組成分析を行った。TlInSe2の体積膨張に関しては、レーザー共焦点顕微鏡を用いて実際の膨張体積評価を行った。また、測定範囲の広い放射温度計により局所的な試料表面温度の評価を走査測定することにより行い、体積膨張との関係について考察した。 第二高調波発生による評価では、タリウム化合物としてTlInS2結晶を用いて、光源にチタンサファイアのパルスレーザーを使用し、840nmの光により15Kの低温において、透過型及び反射型配置で光第二高調波を検出した。さらに温度依存性による第二高調波強度の測定を行い、室温付近で第二高調波が消滅することがわかった。 エリプソメトリーによる誘電率測定では、TlInS2結晶の誘電率の温度依存性測定を行っている。現在、ラフなデータの取得はできたが、真空による窓の歪効果などを詳細に検討する必要があり、その効果を検証することにより、精密な測定の指針とする。 TlInSe2結晶の角度分解XPS測定による結果の検討を行っている。50Kと280Kとのバンド構造の相違について、第一原理計算による縮小効果によるバンド構造との比較を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブリッジマン法を用いたTlInSe2やTlInS2単結晶の作製に成功している。レーザー共焦点顕微鏡を用いたレーザー照射によるTlInSe2の体積膨張の観測は成功しており、体積膨張量についても評価している。 TlInSe2の第二高調波発生の観測も透過型および反射型の両方で成功しており、また温度の上昇により第二高調波強度が減少していることから、目的とする相転移による構造変化を第二高調波発生に予定検出していることがわかる。 エリプソメトリーによる誘電率測定も成功しており、今後詳細な解析が必要ではあるが、当初の目的達成への障害は無い。 TlInSe2結晶の角度分解XPS測定により、50Kと280Kでの測定に成功している。また、第一原理計算によるバンド構造も求めており、今後モデルを作成してバンド構造について検討することが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
TlInSe2の体積膨張評価については、レーザー共焦点顕微鏡によりさらに精度の高い観測を行うとともに、測定範囲の狭い放射温度計を用いることによりレーザー照射による表面温度上昇をさらに正確に測定する。これらの結果から膨張係数と体積膨張との関係について詳細に解析する。 第二高調波発生による評価では、透過型のクライオスタットを購入することにより共焦点顕微システムを用いてミクロン領域の第二高調波の検出を行い、更に偏光特性の結果とともに結晶構造の相転移について解析する。 エリプソメトリーによる誘電率測定では、真空による窓の歪効果などを詳細に検討することによりTlInS2結晶の誘電率の温度依存性を正確に求める。 第一原理計算によるTl原子のナノ変調構造のバンド構造における影響について検討することにより、低温における構造相転移後の結晶構造について考察する。 また、TlInSe2を用いた熱アクチュエーターの設計を行い、その性能について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
さらに良質のTlInSe2やTlInS2単結晶の作製を行う。 共焦点顕微システムに用いることができる光透過型クライオスタットを購入し、光学部品を用いてレーザーの導入系など光学系を完成させる。また、購入したクライオスタットの冷却媒体として液体ヘリウムや液体窒素が必要となる。 購入した電子部品を用いて熱アクチュエーターの実験を行う。 実験データ整理のための実験補助としてその賃金を必要とする。また成果発表のための国内での会議への旅費や打ち合わせ会議のための研究分担者の旅費を必要とする。さらに研究成果を論文とするための投稿料に研究費を使用する。
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[Journal Article] "Peculiar Linear Dispersive Bands Observed in Angle-Resolved Photoemission Spectra of Tl-Based Ternary Chalcogenide TlGaTe2"2011
Author(s)
K. Mimura, T. Ishizu, S. Motonami, K. Wakita, M. Arita, S. Hamidov, G. Orudzhev, Y. Taguchi, H. Namatame, M. Taniguchi, N. Mamedov
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Journal Title
Japanese Journal of Applied Physics
Volume: 50
Pages: 05FC05/1-4
Peer Reviewed
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[Journal Article] "Photoluminescence of AgInS2 Crystal Doped Mn"2011
Author(s)
U. Miyamoto, R. Paucar, K. Honjo, Y. Shim, T. Tokuda, K. Yoshino, K. Wakita
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Journal Title
Technical Digest of the 21st International Photovoltaic Science and Engineering Conference, November 28 - December 2, 2011, Fukuoka, Japan
Volume: 21
Pages: 3D-3P-31 2pages
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[Journal Article] "Nanostructure and Photoluminescence of CdS:O Thin Films Obtained by Cathode Sputtering"2011
Author(s)
Ryo Asaba, Akinori Suzuki, Kazuki Wakita, Yong-Gu Shim, Nazim Mamedov, Ayaz Bayramov, Emil Huseynov
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Journal Title
Technical Digest of the 21st International Photovoltaic Science and Engineering Conference, November 28 - December 2, 2011, Fukuoka, Japan
Volume: 21
Pages: 2D-3P-19 2pages
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