2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560373
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平井 直志 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (30329122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 義路 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70103611)
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Keywords | 化学発光 / 生分解性高分子 / 酸化防止剤 / 難燃剤 / 酸化誘導期間 / 金属水酸化物 / 放射線 / 引張破断伸び |
Research Abstract |
これまで、ポリオレフィン系高分子や生分解性高分子における化学発光(CL)測定においては、高分子の酸化はCLを呈するが、酸化防止剤の酸化はCLを生じないと思われてきた。しかし、難燃(FR)エチレンプロピレンジエン共重合体(EPDM)では、前述の材料では観測されなかったCLが観測された。このCL由来推定のために、EPDMのCL挙動に及ぼすイオウ系酸化防止剤、ハロゲン系難燃剤、金属水酸化物、耐放射線性付与剤、イオントラッパーの影響を調べた結果、大気中180°CでのCL測定により、全試料で測定開始時からCLが検出された。 難燃剤としての金属水酸化物のみからのCLの検証のために、Mg(OH)2についてCL測定した。Mg(OH)2の粉体は加熱初期に大きなCLを呈し、Mg(OH)2を添加したEPDMは、未添加EPDMよりも大きなCLを呈する。この結果は、(1)Mg(OH)2の粉体は表面から酸化されるときに大きなCLを呈する、(2)Mg(OH)2がEPDM中に添加されているときには、酸素の供給が追いつかないため、CLは遅れて発生する、という2つの事を示唆しているとより、Mg(OH)2がCLを呈することは確実と思われる。 熱のみ、γ線照射のみ、加熱下γ線照射したFR-EPDMシートの表面付近、中央部、その中間部の3点について、走査型プローブ顕微鏡(SPM)の位相遅れにより硬さを評価した。その結果、(1)加熱のみでは試料の硬化進行は遅い、(2)室温γ線照射により表面が硬化する、(3)加熱中にγ線を照射することは硬化を内部まで促進することがわかった。これらの試料のCL測定から求めたOITや引張破断伸びでは、劣化の種類における差は確認できるが、厚さ方向の違いを把握することは難しい。よって、SPMは微小領域における劣化評価法として有用であると思われる。
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Research Products
(4 results)