2013 Fiscal Year Research-status Report
金属フリーシリコンクラスレート化合物の合成と熱電変換材料への応用
Project/Area Number |
23560377
|
Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
羽渕 仁恵 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90270264)
|
Keywords | シリコンクラスレート / 熱電変換材料 |
Research Abstract |
本研究は、半導体である金属フリーシリコンクラスレート化合物の合成プロセスを確立させ、その化合物の物性を測定し、熱電変換素子としての応用の可能性を見いだすことを目的としている。本研究ではKrやXeの希ガスをSiネットワークに混合させ、それをアニール処理することでクラスレート相に構造変化させることを目指している。従来、半導体Siクラスレートの合成は金属内包シリコンクラスレートから金属を取り除く方法がとられていたが、完全には除去しにくい。しかし、本手法は金属を用いないため完全に金属フリーのSiクラスレート化合物が薄膜として合成でき、その物性を評価できることが特徴である。 平成25年度は、Krガスを用いてシリコンKr混合薄膜を合成した。Krの含有率は約5%であり、さらなるKrの混入が必要と考えられた。そこで、希ガスを結晶Si基板にイオン注入により打込むことにより希ガスを混入させた。注入条件は、ガスはXe、ドーズ量5.4e16cm2、エネルギー180kVで2cm2の範囲で行なった。最大でXe/Si比は18at%である。アニール温度による構造変化をX線回折、Xe/Si比をEDXにより測定した。500℃まではアニールによるXeの抜けは観測されていない。しかし、アニールによる構造変化はダイヤモンド相に起因するもので現在クラスレート相によるものは観測されていない。今後はアニール条件を変化されて実験を行なう予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クライオ装置の不具合のため使ったスパッタ実験ができていない。イオン注入実験と平行して実施する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本手法でクラスレート化はまだ確認できていない。今年度は最終年度なのでできるだけ多くのアニール条件で実験を行ない、クラスレート化の手かがりを見いだしたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際会議の発表旅費として計上した分が未使用のため 国際会議の旅費分の一部は、イオン注入分の経費として使用する。
|