2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560378
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
福間 眞澄 松江工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (70228930)
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Keywords | 空間電荷 / 音波 / 高電圧 / 計測 / 音響インピーダンス / パルス静電応力法 / 減衰 / 誘電体 |
Research Abstract |
パルス静電応力(PEA)法は,電極界面を含む誘電体の電荷分布(電界,電位)の時間的変化を非破壊で測定する手法である。この方法は,1985年に現在の東京都市大学(旧武蔵工業大学)の高田達雄先生と現在の情報通信研究機構(旧通信総合研究所)の前野恭氏らによって発明された。この測定方法が発明されて約30年が経過し,誘電・絶縁材料の分野では,この間,世界中でこの測定方法が広く利用されるようになってきた。現在,国際電気規格(IEC)に空間電荷分布測定に関する規格制定の作業が進められている。 このPEA法では,試料にパルス電界を印加し,材料内部の電荷に働く静電気力により発生する音波を利用する。そのため試料や電極の音響的特性が大きく,測定誤差となる。本研究では,音響インピーダンス顕微鏡(AIM)と空間電荷分布測定(PEA)を同一の装置に作成することで,現状の測定で問題となる音響特性の誤差補正する技術確立することを目的とした。本研究を通じて,AIMとPEA法の装置を融合して試料の音響特性と空間電荷分布信号の同時測定可能な装置を実現した。最終年度では,その高精度化と信号処理技術を改良して以下の結果を得た。 (1)もっとも測定されている絶縁材料であるポリエチレンの音波の減衰が大きく,空間電荷分布測定データの補正が必要であった。この補正も本装置を利用して校正が可能となった。(2)一般に課電電極に使用されている半導電電極を金属電極に変更など,音響特性が試料と異なる電極を用いた場合の校正方法を調査し,電極にマグネシウム合金などが利用しても補正ができることを明らかにした。(3)もっとも絶縁層の厚い電力ケーブル用の架橋ポリエチレン(XLPE)ブロック(厚さ27mm)の測定も可能となった。(4)音響特性の異なる2層試料の空間電荷分布測定などへの応用も可能と考えられる。
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Research Products
(3 results)