2013 Fiscal Year Annual Research Report
可変周波数SAW共振子の開発とその応用に関する研究
Project/Area Number |
23560386
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大森 達也 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60302527)
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Keywords | 波動利用工学 / 弾性波デバイス / 可変周波数発振器 / 高周波回路 |
Research Abstract |
本研究では、主として無線通信機で用いられる高周波フィルタや発振回路について、これらを構成する弾性表面波(SAW)やバルク波(BAW)共振子の高性能化、ならびにこれらを用いた可変周波数フィルタや発振回路について検討を行った。これまでの研究により、広帯域な共振子をDual-T回路に適用した広帯域可変ノッチフィルタとその発振回路応用について検討を行い、UHF帯において提案構造の試作に成功した。また、これらに使用する共振子そのものの高性能化に向けて、高い圧電性を持つ薄膜材料や、単結晶ダイヤモンド基板の利用について検討を行いSHF帯において高いQ値を持つSAW共振子の作製にも成功した。これらに加えて、圧電振動デバイスの更なる高性能化に向けて強力なツールとなる弾性振動可視化システムに関する検討や、UHF帯における再帰型構造のアクティブフィルタについても検討を行った。 25年度はこれらの検討を更に推し進めた。特に、弾性振動可視化システムにおいては、外部回路と非測定デバイスとの接続における影響を最小限とし、明瞭な観察ができるよう、高周波プローブを用いるデバイス固定機構を設計・実装することで、従来よりも明瞭かつ、高い周波数まで測定可能なシステムに改良することに成功した。また、これを用いて観察した結果、SHF帯におけるSAW共振子においてバスバー部へのエネルギーの漏れが顕著であり、これがデバイスのQ値に影響していることなどを明らかにした。また、UHF帯アクティブフィルタに関して、フィルタ特性の自動制御方法、高次フィルタ特性の合成、スペクトラムスコープの構築などについても検討を行い、これらの結果を国内外の研究会で公表した。
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