2012 Fiscal Year Research-status Report
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23560391
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中山 和也 金沢大学, 保健学系, 准教授 (80242543)
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Keywords | 不揮発性メモリ / ReRAM / SRAM / ベリファイ回路 |
Research Abstract |
当初、安定性に関する研究を実施する予定であり、FET素子寸法がばらついても問題なく読み出しできる手法が考案できた。シミュレーションによる動作確認もおこない、論文を投稿したところ、本手法の議論以外のところでクレームがついたため、論文の全体構成を再検討している。なお、当初ユニポーラ駆動の相変化型メモリのみを想定したが、バイポーラ駆動のReRAMへの対応も可能となった。さらにバイポーラ駆動対応のアーキテクチャを考案したことで、当初予定していなかった、周辺回路の簡素化が可能となった。またこれに伴い2つの動作(処理)が1回ですむようになり、エネルギー削減と高速化が見込めるようになった(うれしい誤算である)。さらに、書き込み、読み出しに関する新しいアーキテクチャと回路構成も考案でき、シミュレーションによる動作確認をおこない、学会で発表した。本提案回路を使用すれば、不揮発性メモリの無駄な書き込みを防ぐことができエネルギー削減に寄与できる。この無駄な書き込みとは"1"という情報に"1"を書き込むことを指す。通常は、素子の値を読み出す回路、書き込みが必要か否かを判定する回路、実際に書き込む回路が必要であるが、数個のFETを読み出し回路に追加することで、読み出し、判定、書き込みの3動作を実施可能な回路を提案できた。本手法は本研究テーマの不揮発性SRAM以外に、多値メモリにも応用できる。また複数の動作を同じ回路で同時におこなえるため、当初の予定より回路の簡素化(高速化)が達成できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1ビット当たり1024個のセルが接続されているモデルを作成しシミュレーションをおこなっており以下の点が達成済みである。1.安定した読み出し(リコール)方法の考案とシミュレーションによる動作確認の完了。2.多値記録に必要な、書き込みに関する判定方法の考案とシミュレーションによる動作確認の完了。3.バイポーラ駆動素子に対応した書き込み方法の考案とシミュレーションによる動作確認の完了。4.今回の研究テーマである、不揮発性SRAMだけではなく、不揮発性メモリに応用可能な、記録(ベリファイ)方式の考案。など予定以上の成果を挙げられた。 ただし、予定以外の多値メモリ用書き込み回路とベリファイ用の判定方法に関する研究を実施したため(多少横道にそれたため)、微細化した場合の影響に関しては考察できなかった。 以上より、おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
提案回路の一部は実際に設計済みであり、作成中である(東京大学VDECの試作サービスを利用し、2013年2月にテープアウト済み)。本試作ICは6月末に納品予定であり、納品次第、実測する予定である。そのため測定に必要な周辺回路、テストパターン(パルスシーケンス)の準備をおこなう予定である。また新規に考案した回路などはシミュレーションによる動作確認まで終了しているが、今後は最適化をおこなう予定である(電力、速度などの点で改良の余地がある)。例えば、回路、印加パルスのタイミングを見直す予定である。現在1ビットラインあたり1024個のセルが接続されているモデルでシミュレーションを実施しており、その結果を踏まえて、より無駄な電力の削減と高速化が実施できないかの検討と、回路が安定に動作するかの確認をおこないたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
6月に納品される予定のICの試作代金、試作したICの測定用治具、回路の製作、IC駆動用の制御信号発生器など測定装置の購入を予定している。またシミュレーション用コンピュータの性能向上も検討している。
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