2013 Fiscal Year Annual Research Report
1.55μm帯偏光双安定デバイスの超高速スイッチング特性の測定・評価
Project/Area Number |
23560396
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
片山 健夫 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (80313360)
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Keywords | 光スイッチ / 高性能レーザ / 応用光学・量子光工学 / 計測工学 / 先端機能デバイス |
Research Abstract |
情報通信において、通信量と消費電力の増大が大きな問題となっており、全光型通信の実現が求められている。光通信波長帯で動作し、高速な光信号が電気変換なく記録できる光バッファメモリの実現が課題となっている。本研究の目的は、面発光半導体レーザ(VCSEL)の偏光スイッチのスイッチングの過渡応答を測定し、偏光双安定スイッチの機構を解明し、さらなる高速化を目指したVCSELの構造を設計することである。 H23年度は偏光スイッチングの一形態として、偏光双安定VCSELの発振光の偏光を90度回転して戻す簡便な光学系で、自己偏光スイッチング動作を実現して評価した。また、偏光双安定VCSELの低消費電力動作に関する検討も行い、全光型双安定素子としては最小の駆動電流0.85 mAで動作した。 H24年度は偏光スイッチングの測定を高速化するために相互相関計を構築し、測定可能感度を見積もった。また、偏光双安定VCSELの高速化のためDBRのペア数を減らしたVCSELを作製した。 最終年度は、初年度に実施した自己偏光スイッチング動作を実現する光学系を改良し、より高速な光パルス発生を行った。以前の光学系ではコリメートレンズが短共振器化を阻害していたため、凹面鏡を用いて光の集光と反射を同時に行い、短共振器化を行った。曲率半径5.08 mmの凹面鏡を用い、繰り返し周波数12.7 GHzの光パルスを実現した。さらに偏光双安定スイッチングの応用として、ANDゲート動作による光パケットヘッダの全光型識別を行い光パケットのスイッチングに適用した。さらに、全光型フリップ・フロップ動作、ANDゲート動作の安定性についてビット誤り率を測定して定量化を行った。また、高屈折率差サブ波長回折格子(HCG)をレーザ反射鏡として採用した偏光双安定VCSELを検討し、偏光無依存のHCGの評価と光励起によるHCG-VCSELを実現した。
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Research Products
(11 results)