2011 Fiscal Year Research-status Report
カルコパイライト系中間バンド型高効率太陽電池に関する研究
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23560397
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
市野 邦男 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90263483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大観 光徳 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90243378)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 光デバイス・光回路 / 太陽電池 / 中間バンド / 不純物 |
Research Abstract |
(1)高効率中間バンド型太陽電池構造の理論的検討中間バンドを形成する母体半導体および不純物バンドなどからなるエネルギーバンド構造,および照射光の吸収・反射・導波等を考慮した光学的構造について検討した.母体半導体としてほぼ最適なバンドギャップを有するCuGaS2を用い,また最適なエネルギー位置に中間バンドを形成するとして,各波長の太陽光成分が対応する準位間で選択的に吸収されるための構造を検討した.(2)太陽電池ベース構造の作製中間バンド型太陽電池の原理実証のベース構造とするため,p-CuGaS2,n-ZnS高品質単結晶薄膜からなるヘテロ構造の分子線エピタキシー(MBE)による作製を検討した.今年度は,主としてp-CuGaS2の高品質化のための作製条件の検討を行った.その結果,p-CuGaS2単結晶薄膜の作製に成功した.またそれを用いてn-ZnS/p-CuGaS2/p-GaP基板構造を試作した.(3)中間バンド形成の検討これまでに,不純物添加による中間バンド形成についての理論的検討の報告はいくつかあるが実験的検証はほとんどない.したがって,本項目は本研究における中心的課題のひとつである.まずは可能性のある不純物元素を実験的にスクリーニングする意味で,Mn等いくつかの遷移金属元素について,CuGaS2薄膜に対して蒸着・熱拡散による添加を試みた.結晶学的,電気的,光学的評価によりその適性を検討しているが,現在のところまだ初期的な結果に止まっており,他の不純物も含めて引き続き詳細な検討が必要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画の各項目について十二分とは言えないものの一定の進展を得ており第1年目として全般におおむね計画通りと判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り,平成23年度の研究を継続・進展させて,(4)中間バンドの導入効果の検証,(5)中間バンド型太陽電池の構造最適化,(6)中間バンド型太陽電池の効率向上の原理実証とさらなる高効率化,等の課題に取り組んでいく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度研究費のうち,次年度使用額が約5万円と若干生じた.これは年度末に予想された消耗品費等の不足に充てる予定で30万円の前倒し支払請求を行ったうちの,予想の誤差によるもので,全般的には前倒し支払請求時点での予定にほぼ沿っている.したがって,平成24年度研究費と合わせて使用することで計画にほとんど変更はない.
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Research Products
(2 results)