2012 Fiscal Year Research-status Report
カルコパイライト系中間バンド型高効率太陽電池に関する研究
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23560397
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
市野 邦男 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90263483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大観 光徳 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90243378)
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Keywords | 光デバイス・光回路 / 太陽電池 / 中間バンド / 不純物 |
Research Abstract |
1.太陽電池ベース構造の作製 中間バンド型太陽電池のベース構造として,n-ZnS/p-CuGaS2単結晶薄膜ヘテロ構造の分子線エピタキシー(MBE)による作製を検討した.昨年度に引き続き,p-CuGaS2の高品質化のための作製条件の検討を行い,p型CuGaS2単結晶薄膜の高品質化を行った.またそれを用いてn-ZnS/p-CuGaS2/p-GaP基板構造の作製を行い,その条件を種々検討した.とくに,ZnS/CuGaS2界面での相互拡散が問題となり,その抑制の条件を検討した.その結果,上記ヘテロ構造において一応の太陽電池動作を確認した.また,GaP基板上の結晶成長に関する基礎的検討も行った. 2.中間バンド形成の検討 従来,不純物添加による中間バンド形成について実験的検証はほとんどなされていないため,本項目は本研究における中心的課題のひとつと考えられる.昨年度に引き続き,Mn,Ti等の遷移金属元素について,CuGaS2薄膜に対して蒸着・熱拡散による添加を行い,中間バンド形成に対する効果を検討した.MnはCuGaS2中で容易に拡散することがわかったが,過大な添加量になりがちであり,熱処理条件の検討により適切な添加量に制御した.一方,Tiについては比較的熱拡散は小さくかった.それぞれ熱拡散による添加量を制御した上で,光伝導スペクトル測定等の電気的・光学的な評価を行った.しかしながら,いずれもまだ有効な中間バンド形成の確認には至っておらず,今後はMBE成長による添加や他の不純物も含めて引き続き検討を行っていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画の各項目について計画通りに研究を進め,一定の進展を得ているが,成果の点では当初計画からするとやや遅れ気味であり,十分とは言えないため,やや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り,ここまでの研究を継続・進展させて,引き続き中間バンド形成の検討を行うとともに,中間バンドの導入効果の検証,中間バンド型太陽電池の構造最適化,中間バンド型太陽電池の効率向上の原理実証とさらなる高効率化,等の課題に取り組んでいく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度研究費のうち,次年度使用額が約3万円と若干生じたが,これはほぼ誤差の範囲で,全般的には年度当初の予定にほぼ沿っている.したがって,平成25年度研究費と合わせて使用することで大きな変更はない.
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Research Products
(1 results)