2013 Fiscal Year Annual Research Report
カルコパイライト系中間バンド型高効率太陽電池に関する研究
Project/Area Number |
23560397
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
市野 邦男 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90263483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大観 光徳 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90243378)
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Keywords | 光デバイス・光回路 / 太陽電池 / 中間バンド / 不純物 |
Research Abstract |
1.高効率中間バンド型太陽電池構造の理論的検討 中間バンドを形成する母体半導体および不純物バンドなどからなるエネルギーバンド構造,および照射光の吸収・反射・導波等を考慮した光学的構造について検討した. 2.太陽電池ベース構造の作製 中間バンド型太陽電池のベース構造として,n-ZnS/p-CuGaS2/p-GaP基板ヘテロ構造の分子線エピタキシー(MBE)による作製を検討した.まず,高品質単結晶p-CuGaS2薄膜の作製条件の検討を行った.また,GaP基板上の結晶成長に関する基礎的検討も行った.次にそれらを応用し上記ヘテロ構造の作製条件を種々検討した.最終年度においても,引き続きp-CuGaS2薄膜およびヘテロ構造の作製条件の検討による特性改善を進め,上記ヘテロ構造におけるpn接合特性を改善した. 3.中間バンド形成の検討 従来,不純物添加による中間バンド形成について実験的検証はほとんどなされていないため,本項目は本研究の中心的課題の一つである.まず,可能性のある不純物元素をスクリーニングする意味で,Mn,Ti等の遷移金属元素についてCuGaS2薄膜に対して蒸着・拡散による添加を行った.Mnは容易に拡散することがわかったが,不均一かつ過大な添加量になりがちであった.一方,Tiについては比較的熱拡散は小さかった.それぞれ電気的・光学的な評価を行ったが,中間バンド形成の確認には至らなかった.そこで,最終年度においては,MBE成長におけるMn添加を行った.その結果,均一に濃度の制御された添加が可能となったが,添加条件の最適化が不十分のため,現時点では有効な中間バンド形成の確認には至っていない.そのため,研究期間内において,当初目的のうち太陽電池における中間バンド機能の検証や高効率化の実証には至らなかったが,引き続き研究を進めることで目的は達成可能であると考えられ,その意義は大きい.
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Research Products
(2 results)