2013 Fiscal Year Annual Research Report
実用的な異方性メタマテリアル構築に向けた効率的材料定数測定法の確立
Project/Area Number |
23560401
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
堀田 昌志 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (70229201)
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Keywords | 異方性材料 / 材料定数 / 導波管充填法 |
Research Abstract |
これまで,導波管充填法を用いることで等方性媒質の複素誘電率が比較的高精度に測定できることが知られてきたが,メタマテリアルの様な新規材料では,異方性を持つ媒質が多く含まれ,その異方性を積極的に利用することで新しい機能性デバイスが開発可能である。デバイス設計・開発においては,使用する媒質の材料定数は必須の設計パラメータとなる。 そこで,規格(導波管開口サイズ)は異なるが,基本モードの動作周波数が重複している2種類の導波管を用いた導波管充填法で一軸異方性媒質の材料定数を求める手法を提案し,その計算方法等について理論的に明らかにした。ただ,研究途上において,使用する導波管により同じ等方性媒質の材料定数を測定したにも関わらず,動作周波数の重複する部分で,差異が生じるといった問題点に直面した。この差異は,測定系の測定精度に直結する。これに対し,使用する導波管と同軸導波管変換器をより作製精度が高いものに交換したり,計測器に反射の影響を除去できる時間領域解析オプションを追加して反射波の影響等を考慮したりすることで精度向上に努めた。その結果,測定される差異は低減したが両者を完全に一致させるには至らなかった。 次に,一軸異方性を持つ媒質の材料定数を測定したSパラメータから求める計算式の導出と電磁界シミュレータによる計算式の妥当性検証を行った。定式化では,使用モードがTEモードであったため,伝送軸方向の誘電率テンソル成分を求める式は導出することは出来なかった。しかし,誘電率は等方性で透磁率のみ一軸異方性を持つ媒質のについては,電磁界シミュレータで求めたSパラメータから,高精度に各成分を求められる事を確認した。 研究実施年度内に完全な異方性材料定数測定システムの構築には至らなかったが,透磁率が一軸異方性を持つ媒質への本測定法の妥当性は確認できた。今後は使用モードや導波管形状変更で対応を考慮したい。
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Research Products
(4 results)