2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560406
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
束原 恒夫 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (10433153)
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Keywords | 直交変調器 / 直交復調器 / 複素信号 / ミキサ |
Research Abstract |
初年度に、アクティブ型直交ミキサの低電圧動作化(1.8V以下)の研究を実施した。引き続き、パッシブ型ミキサの適用による低電圧化について低電圧・高周波動作化について検討を進めた。複素型直交変調器には2個の直交ミキサが使われる。アクティブ型の直交ミキサはローカル(LO)信号の位相誤差を補償する効果を持つことが、本提案の特長である。直交ミキサ1の出力IIと直交ミキサ2の出力QQは減算器により引き算され、同相RF出力を生成する。一方、直交ミキサ1の出力IQと直交ミキサ2の出力QIは加算器により加えられて、直交RF出力を生成する。これにより、複素型のRF変調信号が得られる。さらに、直交RF信号は、複素フィルタに入力されて、不要なRF信号を抑圧して、高精度のRF変調信号を出力する。 アクティブ型直交ミキサについては、2種類の折返し構成を提案することで、1.5Vの低電圧動作を可能とした。一方、パッシブ型直交変調器では、トランジスタによるスイッチで直交ミキサを構成した。さらに、2逓倍器と1/2分周器の組み合わせによる直交ローカル信号発生器を新たに考案した。位相補償効果は、元になる直交ローカル信号から2倍の周波数を発生させる新型2逓倍回路にて、アクティブ型直交ミキサと同様に行われる。電源電圧は従来型の1/2分周器を用いると1.8V動作であったが、新たに折返し型フリップフロップ構成を提案して、1.2Vまでの低電圧動作と8.2mWの省電力化を実現した。さらに、分周期を複数配置することで、500MHzから5.5GHzまでの広帯域動作を可能とした。複素フィルタとして、RCポリフェーズ・フィルタを用いた構成を用いた場合、RCのバラツキを考慮したときでも、不要サイドバンド抑圧比(SRR)で60dB以上を可能とした。変調精度(EVM)では1%以下の高精度が可能となる。さらに、ベースバンド入力部の直流オフセットを抑圧する手法で、LOリークを-43dBc以下まで低減できる見込みを得た。
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Research Products
(2 results)