2013 Fiscal Year Annual Research Report
電子回路中へのc‐DNAの自己集積化とm‐RNA認識パターンの直接演算処理法
Project/Area Number |
23560409
|
Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
礒田 隆聡 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (70284544)
|
Keywords | DNA / 遺伝子 / タンパク / 電子回路 / バイオセンサー / DANコンピューター |
Research Abstract |
本研究では電子回路中に集積化したDNAが塩基配列の違いで特定の遺伝子を認識する分子生物学的現象を、微小電流へ変換して検出する有機/物理複合デバイスの開発を目標とした。そこで①基板上にDNAやタンパク分子を集積し、②これを認識した分子を出力信号として検出するための要素技術開発を実施した。①についてはアミノ基を導入した微粒子表面にDNAやタンパク分子は強く結合し、さらに結合したタンパクには特定の抗原タンパクが認識して結合することを確認した(H23年度)。次にアミノ化したガラス表面で同様の検討を行った(H24年度)。しかしガラス表面のアミノ化導入率は低く、DNAやタンパク分子は集積できなかった。そこでわずかに導入されたアミノ基に架橋剤で反応点を導入し、これにある種の高分子を積層させた。高分子の反応点では化学反応が理論的に進行するため、ガラス基板上にDNAやタンパク分子の接着面、あるいは非接着面を構築することができた。微小電極を構築した基板に同様の表面を構築した場合、電極の電気化学反応を利用して接着面や非接着面を構築する方法(電気化学パターニング法)を確立した。本方法では200μmφの微小電極25対を集積した4㎜四方の任意の位置に、電気的制御でタンパク分子を配列化できることが確認され①の要素技術が確立できた。一方②の要素技術については、従来試験管の中で遺伝子からタンパク分子を発現させる無細胞タンパク発現法が、ガラス基板上の液滴でも良好に発現することを確認した。そこで微小電極を構築したガラス基板上で無細胞タンパク発現を行い、このタンパク発現が電圧変化として検出できることを確認した。入力信号である遺伝子配列を一連の酵素群が精密に認識し、その結果タンパク合成が行われ、出力信号として検出できることが証明された。
|
Research Products
(4 results)