2013 Fiscal Year Annual Research Report
近接場光アンテナ励起局所円偏光生成による次世代高速度・高密度磁気記録
Project/Area Number |
23560413
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中川 活二 日本大学, 理工学部, 教授 (20221442)
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Keywords | 記憶・記録 / データストレージ / 磁気記録 / 熱工学 / マイクロナノデバイス / 電子・デバイス機器 |
Research Abstract |
外部磁界を印加することなくフェムト秒オーダーの円偏光パルスを照射することで、THzオーダーの速度で垂直磁気異方性を示す媒体に記録可能な光誘起磁化反転現象を利用した磁気記録手法の高密度化を目標とし、表面プラズモンを利用した局所円偏光生成の検討を行っている。 前年度までにプラズモン導波路構造を用いて円偏光を生成可能であることを示しており、プラズモン導波路における光利用の高効率化およびプラズモンアンテナを用いた近接場光による高集光化の実証を行った。 表面プラズモンアンテナへの効率的光エネルギーの伝搬方法として、Finite-Difference Time-Domain (FDTD) 法を用いて、誘電体導波路と表面プラズモンエネルギー伝搬とを組み合わせた光伝搬手法に取り組んだ。表面プラズモンの伝搬状態の解析から、表面プラズモンが伝搬する界面の選択および薄膜構造による伝搬条件の最適化を行った。伝搬した表面プラズモンを近接場アンテナ先端に集光することで、媒体表面において10 nmの微少電界強度分布が得られることを電磁界計算により示した。 一方、高密度化に対し、近接場光を用いたフェムト秒レーザによる熱アシスト磁気記録実証実験による微少記録マークの実現を目指した。電磁界解析によりアンテナ構造の改良を行い、従来の棒形状よりも正方形状の場合に高い電界強度が得られることを示した。本設計を基に電子ビーム露光による正方アンテナの作製およびフェムト秒レーザによる記録、磁気力顕微鏡による観察の一連の実験を行い、媒体に直接正方プラズモンアンテナを積層する構造を用いて、前年度を上回る62 nm×67 nmの微少記録マークを実現した。 これにより、光照射領域の広い高強度短パルスレーザを用いても、プラズモンアンテナ先端の近接場光のみを活用することで微少記録が可能であることを示した。
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Research Products
(13 results)