2012 Fiscal Year Research-status Report
Open FOAMを用いた電磁界数値解析法のマイクロ・ナノデバイス解析への応用
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23560418
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
黒田 道子 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (70225308)
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Keywords | 移動境界 / 重合格子法 / FDTD法 / ローレンツ変換 / カーボンナノチューブ |
Research Abstract |
電磁界の移動境界問題に取り組んでいる。重合格子法をFDTD法に導入し、主格子と副格子間で高速の場合にも適用できるようにローレンツ変換を考慮した時間格子と空間格子の座標変換を考案した新しいアルゴリズムを提案して、任意運動へも適用できるように、直線方向の移動のほか3次元問題や回転問題に適用した。さらに、副格子を誘電体として誘電体の回転問題の解析を行った結果は理論値とよい一致を見た。このように誘電体の回転を数値解析できることにより、カーボンナノチューブなどの数値解析に適用できることが証明でき、今後広く応用が期待される。これまでは、移動座標上(副格子上)での解析結果を求めていたが、平成24年度はローレンツ逆変換を行い、静止座標上での計算結果を示すことができた。このことより、実用化に向けた大きな成果を得たと言える。一方、これまでは移動物体に対する電波伝搬の解析を行っていたが、波源の移動を導入することができた。この結果を用いて移動波源からの電波伝搬解析も行うことが可能になり、より実用化に近づけたと言える。 誘電体を導入した場合についてのシミュレーションを行ったが、これらの成果のうちで論文誌としては、2013年1月に電子情報通信学会英文論文誌に採録された。2013年5月に電気学会論文誌に採録予定である。国際会議では、2012年4月にACES 2012 、2012年12月IEEEAPACE2012 で発表した。 一方でこの手法は可変容量コンデンサを有する回路からの不要電波の解析にも応用できることが確認された。この成果は、2012年11月電気学会電磁界理論研究会で発表した。 波源が移動する場合においては、2013年3月電子情報通信学会総合大会で発表した。このようにして、得られた成果は国内外の学会で発表し、高い評価を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、主格子と副格子を用いてローレンツ変換も考慮した電磁界移動問題の数値解析法に取り組み、この手法を回転運動や3次元問題へ拡張し、理論値の結果と比較し精度検証を行いよい結果を得た。誘電体を入れた場合にも適用して、誘電体デバイスへの応用についても適用できるようにすることができた。このようにして得られた成果は2013年1月に電子情報通信学会英文論文誌に採録され、さらに、2013年5月に電気学会論文誌に採録予定である。国際会議では、2012年4月にACES 2012、2012年12月IEEE APACE2012 で発表した。以上のように国内外の学会で発表し、高い評価を得ている。今年度は新たに、波源が移動する場合にも適用ができるようになり、実用化に近づいたと言える。また、速度の遅い場合、3次元の場合のような大容量計算のためには、並列処理を行うことで対応できたため、複雑な動きを導入できるFDTD法でマイクロ波デバイスの解析に適用できる手法の開発に力を入れてきた。Open FOAMの手法をFDTD法に取り入れる手法についてはやや進捗状況が遅れているのが現状であるが、運動する物体、波源については貴重な成果が得られた。以上の理由により本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者黒田は、高速運動に適用できるようにローレンツ変換をFDTD法に組み入れるアルゴリズムを考案してきている。今後は、大容量の数値解析が可能な数値解析法を導入し、この手法をマイクロ・ナノデバイスの機構を解析する数値解析法に適用し、新しい現象の解明に取り組むことを目指している。今年度開発した静止座標上での誘電体を導入した回転問題、波源の移動問題等を3次元解析に拡張し、より実用化に近づける。その成果を用いてマイクロ・ナノデバイスの機能解析に応用し、新たな現象の解明を行う。複雑な運動に適用できるように電磁界・振動問題の解析を行い、MEMS、NEMSなどの可変機能を持つデバイスやカーボンナノチューブなどの運動解析に適用していく。カーボンナノチューブの動作確認と新たな機能の開発のための数値解析を行う。大容量の数値解析はコンピュータの並列化で対応しながらOpen FOAMの適用を目指す。 カーボンナノチューブを専門とするManos Tentzeris教授、Open FOAMの専門家であるBinghu Piao 博士と協力し、研究を進めていく。実際の計算は、University Malaysia Sarawak(Malaysia)のShafrida Sahrani博士が行う 。 研究協力者は、Manos Tentzeris教授( Professor, Georgia Institute of Technology(USA))、Binghu Piao博士( 株式会社ファームフロー代表取締役、電気通信大学産学官連携センター客員研究員)、Shafrida Sahrani博士( Lecturer, Lecturer, University Malaysia Sarawak(Malaysia))である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、研究代表者黒田が東京工科大学ンコンピュータサイエンス学部での業務多忙のため、国際会議等への出席が困難であり、予定していた旅費等に繰越金がでた。 平成25年度は、この手法を3次元問題に適用するためより高性能なコンピュータの購入、開発したシミュレーションの応用をより積極的に行っていくため国際会議等への論文の投稿、学会誌への投稿に力を入れていくための旅費等の使用を予定している。
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Research Products
(6 results)