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2013 Fiscal Year Research-status Report

伝搬特性を制御する右手系人工媒質の開発と放射素子への応用に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23560421
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

出口 博之  同志社大学, 理工学部, 教授 (80329953)

Keywordsマイクロ波 / 伝搬特性 / 放射素子 / 周期構造 / ミリ波 / 最適化 / 高次モード
Research Abstract

所望のアンテナ開口面分布が得られる伝搬特性の制御を平板構造の開口面によって行うため,周波数選択膜(FSS)の単位セル形状を応用して,少しずつ異なる形状にしたものを2次元配列させた人工媒質を検討した.このような構造に対する伝送特性の合成法として,周期配列したときに規格化した帯域通過特性を実現するように単位セル形状を決定し,これらを一つずつ配列して2次元アレーを構成することによって伝送波の開口面振幅および位相分布の制御を行う方法を提案している.さらに,多層構造の人工媒質に適した構造として,クロススロットを多層化して隣接層間の結合共振を利用した人工媒質を考案している.設計例として5層構造の人工媒質について示し,電磁界解析による伝送特性ならびにアンテナの放射特性の評価を行い,提案構造の妥当性を検証している.
また,アンテナへの応用例として,広帯域モノポールアンテナ背面に人工表面媒質を設けた構造の特性について検討した.給電線路として用いているコプレナー線路と,その背面のマイクロストリップ導体素子の2次元アレー面とを一体とみなした多層化した構造を提案し,給電線路に対してはインピーダンス境界面として動作させ,アンテナに対しては入力インピーダンスの広帯域な制御を試み,電磁波論的な取り扱いを基にした設計解析を行っている.このような検討結果を基にして提案する人工表面媒質を備えたモノポールアンテナを設計し,試作実験ならびに数値計算の両面から提案するアンテナの有効性を検証している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画した通り,人工媒質ならびにそのアンテナへの応用について検討を行った.人工媒質を多層化して構成するため,スロットおよびストリップ導体素子を配列して多層化し,このような構造における層間結合の制御方法について明らかにした.その際,厚みや配列周期については一定として構成するため,新たにリアクタンス成分を付加した素子形状パラメータを導入することによって所定の伝送特性を達成している.そしてこれらの検討結果を基に,人工媒質の特性を活かした平面レンズアンテナを設計評価することによって妥当性の検証ならびに有用性の確認を行った.
また,一次放射系としては,給電線路ならびにアンテナモノポール部に人工表面媒質を装荷した構造について検討を行った.ここで提案する人工表面媒質は,波長に比べて十分大きくないアンテナに用いるため,周期境界条件を用いた解析に加えて,有限配列の構造に対する電磁界解析を基に設計を行っており,異なる共振周波数で動作するストリップ素子を組み合わせて配列することが有効であることを見出している.そして,給電系ならびに放射系の広帯域な特性を達成するための人工表面媒質装荷モノポール部の形状最適化を行い,良好な周波数特性を有するインピーダンス整合特性ならびに放射特性が得られることを確認している.このような人工表面媒質の装荷は,低姿勢広帯域化に有用であることも立証している.

Strategy for Future Research Activity

多層化した人工媒質を導波管中に装荷したときの特性評価を行い,伝送特性の制御について検討を行う.このような導波管の設計・解析にあたっては,モーメント法等による電磁界解析を用い,これを基にして各層の構造について遺伝的アルゴリズムを用いて最適化を行い所定の伝送特性の実現を図っていく.その際,各層の減衰波による相互影響までも考慮するため,一般化散乱行列を用いた計算を行っていく.また,実際の導波管素子を模擬した数値シミュレーションによる評価も行い,妥当性の検証を行っていく.そして,提案する導波管素子の位相定数の周波数特性に関する検討結果を基に,所定の伝送特性を実現するための分布定数回路モデルについても明らかにしていく.
また,人工媒質を用いたアンテナについては,ストリップ導体素子の構造に加えて,実効的な誘電率分布の設計ならびに構造について新たな提案を目指していく.特に,周波数特性の広帯域化,誘電率分布の決定法について理論的・数値的検討を加え,また構造については平面構造の積層方法について周期構造解析を基に検討していく.そして,これらの検討結果を基に,人工媒質の特性を活かした小型なアンテナを設計していく.

  • Research Products

    (4 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Broadband Reflectarray with Convex Strip Elements for Dual-Polarization Use2013

    • Author(s)
      T. Toyoda, D. Higashi, H. Deguchi, M. Tsuji
    • Journal Title

      Proceedings of 2013 URSI International Symposium on Electromagnetic Theory (EMTS)

      Volume: 1 Pages: 683,686

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 直交偏波共用リフレクトアレーに用いる広帯域4共振素子に関する検討2013

    • Author(s)
      東 大智,出口 博之,辻 幹男
    • Organizer
      輻射科学研究会
    • Place of Presentation
      同志社大学
    • Year and Date
      20131220-20131220
  • [Presentation] リフレクトアレーを用いた平面アンテナの広帯域低姿勢化について2013

    • Author(s)
      豊田 翔平,出口 博之,辻 幹男
    • Organizer
      輻射科学研究会
    • Place of Presentation
      同志社大学
    • Year and Date
      20131220-20131220
  • [Presentation] 広帯域直交偏波共用リフレクトアレーのためのΩ型共振素子2013

    • Author(s)
      東 大智,出口 博之,辻 幹男
    • Organizer
      電子情報通信学会ソサイエティ大会
    • Place of Presentation
      福岡工業大学
    • Year and Date
      20130919-20130919

URL: 

Published: 2015-05-28  

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