2013 Fiscal Year Annual Research Report
Si基板上III-V族半導体/High-kゲートを用いた新構造トランジスタの開発
Project/Area Number |
23560422
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
前元 利彦 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (80280072)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々 誠彦 大阪工業大学, 工学部, 教授 (50278561)
井上 正崇 大阪工業大学, 工学部, 教授 (20029325)
|
Keywords | 化合物半導体 / 高速・低消費電力素子 / InAs / ヘテロ接合トランジスタ / III-V MOSFET / High-kゲート / セルフスイッチングダイオード |
Research Abstract |
ロジックLSIを構成しているSi-MOSFETは微細化による特性向上の限界に達しており、非Si材料の利用が期待されている。集積化が進み低消費電力性も求められることから、Siよりも低バイアスで高速動作ができるInAsやInSbなどのIII-V族化合物半導体を伝導チャネ ルに用いることがメーカーでも検討され、ヘテロ接合トランジスタにおけるデバイスのプロセス技術の開発は重要であることから本研究を実施した。 初年度は、InAs-HFETにおける伝達コンダクタンス向上のためのオーミックコンタクトについて研究を進め、コンタクト抵抗の低抵抗化を実現した。ニッケルを用いた熱処理プロセスを用いることでソース・ドレイン電極とInAs層とのコンタクト抵抗を0.024Ωmmまで低減でき、従来用いていたパラジウムによるオーミックコンタクトと比べ大幅に低抵抗化できることを見出した。 2年目は、特にゲート絶縁膜/半導体界面の界面準位密度低減のための界面の清浄化プロセスについて研究を行った。InAs/AlGaSb系ヘテロ接合トランジスタにおいては、GaSb表面での自然酸化膜の発生が界面準位密度の増加の原因となっている。そこで、塩酸系溶液処理によるGaSb界面の清浄化を検討した。X線光電子分光法による分析の結果、塩酸処理によってGaSb上の自然酸化膜が除去されていることを確認した。昨年度に得られた成果と、今年度の絶縁膜/半導体界面への塩酸系溶液処理のプロセスを併用して、InAs系ヘテロ接合トランジスタを作製した。ゲート長2μmの素子で相互コンダクタンスgm=450mS/mmが得られ、絶縁膜/半導体界面を清浄化しないものと比べて出力特性が大きく改善された。 最終年度については、High-kゲート絶縁膜としてバンドギャップの大きな酸化ガリウムを絶縁膜/半導体界面に挿入して、ゲートリーク電流の低減に努めた。20nmの極薄酸化ガリウム層を挿入することでゲートリーク電流が約5桁低減し、gmについても415mS/mmが得られた。
|
Research Products
(5 results)