2011 Fiscal Year Research-status Report
ディープサブミクロン対応の付着微粒子静電除去技術の基礎開発
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23560428
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Research Institution | Oshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
高橋 主人 大島商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (80517095)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 静電吸着 / 異物除去 |
Research Abstract |
静電吸着力を利用して部品表面に付着している微粒子(異物)を誘電体フィルムに付着させて除去する技術を開発するための第1段階として、静電吸着用高電圧電源の製作、静電吸着力の評価、ガラス球の除去特性評価を実施した。 高電圧電源は±3kVで、微粒子の振動除去も考慮して3kHzまで応答する仕様とした。 ポリエチレンフィルムを挟んだシリコン電極間で静電吸着力を測定した。吸着力が理論値どおりに発生するかを調べた。その結果、大気中の湿度の影響を受けてフィルムの表面抵抗が低下し、吸着力が低下することがわかった。理論値と同じ吸着力を得るには、湿度50%以下で試験すれば良いことがわかった。また、ポリイミドフィルムのようにシリコン表面に密着するタイプのフィルムでは、大気圧が静電吸着力に勝るため、静電吸着力の評価ができず、真空中での試験が必要であることもわかった。 ガラス球(40~90μm)をシリコンウエハ上に付着させた試験片を用い、静電除去の基礎試験を実施した。はじめに、高電圧印加が10s~20minでは印加時間の影響がないことを確認した。また、ガラス球のサイズが幅を持つため、フィルムと接触できるのが大きな径のガラス球に限定されることや、フィルムとシリコンウエハ間に空気が入り込んでしまうこと、等々の理由により、微粒子除去率にばらつきが発生することがわかった。また、静電除去を繰り返すと、次第に除去率が改善される傾向にある。これは、前期のばらつき要因があるためで、最良の除去率を見ると、静電除去を繰り返しても除去率はほぼ一定であることがわかった。以上の点を考慮し、今後、真空中で静電除去を実施することにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微粒子の径を1~100μmで計画していたが、40μm以下の静電除去評価が未達である。これは、40~90μmのガラス球による静電除去試験において、除去率が大きくばらついたため、その原因調査に時間を要したことによる。また、ばらつきを考慮してデータ解析するためデータ数を増やす必要があったことも一因である。 最初の基礎的データ取得としてガラス球を選択したが、最終的にはY2O3粒子による評価が必要である。これも上記の理由による。 データのばらつき要因を把握したので、今後、計画の実施に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
静電除去率のばらつきが大きいため、データ取得に時間を要している。その解決策として、真空中での静電除去試験を実施することにした。これにより、大気の影響が除去されると考えられるので、データのばらつきが減少することや、誘電体フィルムの種類をポリエチレン以外にも広め、静電除去率の向上を図ることが可能になると考える。 真空中での基礎試験を早急に実施し、以降、当初の予定の静電試験を実施する。 また、帯電ガンでの強制イオン化による微粒子除去を計画しているが、上記の基礎試験の結果を踏まえて、その必要可否を判断する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
真空中の静電除去試験装置を新たに試作する。予算150k\。 帯電ガン(370k\)による試験は、真空中での除去試験を踏まえて判断する。
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